もう年末調整の住宅ローン控除で悩まない!必要書類と記入例

会社員であれば毎年年末にかけてやってくる年末調整。住宅ローンを借りて2年目から10年目の方で、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の対象の方は、年末調整で住宅ローン控除の手続きができます。(本記事は2018年9月現在の法令等に基づいて作成しています。)

今年初めて年末調整で住宅ローン控除の手続きをするという方はもちろん、毎年手続きしている方でも、年に1回の手続きですから申告書にどう記入すれば良いのか迷ってしまうこともありますよね。

今回は、そんな年末調整の住宅ローン控除について、必要書類の揃え方から、記入例、還付金の金額や入金時期まで、しっかり解説していきますので、年末調整の手続きでお悩みの方は、是非ご確認ください。

1.2年目以降の住宅ローン控除は年末調整で

住宅借入金等特別控除制度、いわゆる「住宅ローン控除」は、住宅ローンを利用して住宅を購入または建築した方が利用できる制度です。10年に亘って住宅ローンの年末残高の一定割合の金額が所得税額から控除されます。

住宅ローン控除を初めて受ける年は、自身で確定申告をする必要がありますが、会社員の方であれば、2年目以降は年末調整で手続きをすることができます。

1-1.必要書類は2種類

住宅ローン控除の年末調整で必要な書類は、以下の2種類です。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

1-1-1.給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

必要な書類の1つ目は、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(以下、「住宅ローン控除申告書」)です。

住宅ローン控除申告書は、住宅ローン控除を受けるために確定申告をした年の10月頃(2018年3月に確定申告した場合、2018年10月頃)に、税務署から9年分まとめて郵送されてくるものを使用します。

住宅ローン控除申告書の下部には、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」として、初めて住宅ローン控除を受ける年にご自身が確定申告した内容があらかじめ印字されていますので、万一紛失してしまった場合は税務署に申請し再交付を受ける必要があります。

再交付申請については、国税庁ホームページ[手続名]年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続をご確認ください。

税務署から届いた住宅ローン控除申告書は、毎年使用しますので大切に保管しましょう。

1-1-2.住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

必要な書類の2つ目は、住宅ローンを利用している金融機関が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(以下、「残高等証明書」)です。年末調整の手続きに間に合うように毎年10月頃、金融機関から郵送されます。(※金融機関によって名称が異なる場合があります。)

千葉銀行の場合は、10月中旬までに届くよう郵送手続きを行っています。住宅ローン控除対象期間にも関わらず残高等証明書が届かない場合は、大変お手数をおかけしますが、住宅ローンをご利用いただいているお取引店にお問い合わせください。

なお、住宅ローンを組んで1年目の場合は確定申告の手続きが必要で、年末調整ではお手続きできないため、10月中旬には残高等証明書は郵送されません。今年、住宅ローンを組まれたお客さまには、翌年2月から3月の確定申告の時期に間に合うように、住宅ローンを組んだ年の翌年1月以降に郵送手続きを行っていますのでご留意ください。

1-2.10月以降に繰上返済や借り換えをした人は要注意

金融機関から郵送される残高等証明書は、9月末時点の残高を基準にして、金利変更や繰上返済がなかった場合の年末残高(予定額)が記載されています。そのため、10月以降に繰上返済や金利の変更、借り換えなど残高が変動するお手続きを行った場合は、残高等証明書に記載されている年末残高(予定額)と実際の年末残高が異なってしまうため注意が必要です。

※千葉銀行では、10月以降に固定金利期間が終了する場合、変動金利に自動的に切り替わるものとして予定残高を算出し記載しています。そのため、10月以降に固定金利期間が終了する場合でも、再度固定金利を選択せず変動金利に切り替える予定の方は問題ありません。

10月上旬など勤務先の年末調整に間に合う時期に借入金の残高が変動するお手続きをした場合は、金融機関に「手続き後の年末残高(予定額)が記載された残高等証明書」の再発行を依頼して勤務先に提出してください。
12月など年末調整に間に合わない時期に手続きした場合は、金融機関に「年末残高(実績)が記載された残高等証明書」の発行を依頼して、翌年1月に実施される年末調整の再計算時に勤務先に提出してください。

10月以降に繰上返済や金利の変更、借り換えなどのお手続きをする場合は、事前に金融機関の担当者に手続き方法を確認するようにしましょう。

1-3.年末調整を忘れてしまったら確定申告を

2年目以降であれば年末調整で手続きができる住宅ローン控除ですが、年末調整で手続きするのを忘れてしまったという場合は、5年前までさかのぼって確定申告をすることで手続きをすることができます。詳細については、税務署にご確認いただくようお願いいたします。

2.住宅ローン控除申告書の記入方法

それでは、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(以下、住宅ローン控除申告書)について、具体的な記入方法を解説していきます。今回は、一般的な一戸建て(土地と建物)を夫婦で連帯債務(負担割合50:50)の住宅ローンを借入し、購入された場合についてご説明します。

※住宅を購入する際にご夫婦それぞれで住宅ローンを組んでいて、お借入が2つに分かれている場合は連帯債務ではありません。

2-1.対象年を確認し、給与支払者(勤務先)・自身の氏名住所等を記入する

まず、書類が年末調整を行う年の住宅ローン控除申告書であることを確認しましょう。住宅ローン控除申告書は9年分まとめて郵送されていますので、年次を間違えないように注意が必要です。

次に、勤務先(給与支払者)と自分自身の情報を記入しましょう。法人番号は提出を受けた勤務先が記入しますので、記入は不要です。「〇〇税務署長」とある欄についても記入しなくて大丈夫です。

2-2.「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」を記入する

続いて、金融機関から届いた残高等証明書を見ながら、12月末時点の住宅ローン残高を記入します。

残高等証明書の「住宅借入金等の内訳」を確認(下図の確認①)し、住宅ローン控除申告書の対応する記入欄に年末残高を記載します。今回の例では、残高等証明書に「住宅及び土地等」とありますので、住宅ローン控除申告書のC欄が記入する欄です。同じように、ここが「住宅のみ」であればA欄、「土地等のみ」であればB欄となります。

ここで記入する残高ですが、住宅ローンが自分ひとりの名義であれば、残高等証明書に記載されている年末残高を転記するだけです。しかし、今回の例のように夫婦や親子で連帯債務の住宅ローンを組んでいる場合には、そのまま転記するのではなく、残高等証明書に記載されている年末残高に自分の負担割合(今回は50%)をかけた金額(3,950万円×50%=1,975万円)を住宅ローン控除申告書に記載します。

※2社以上の住宅ローンを借りているなど複数の住宅ローンがある場合には、以降、合算した金額を記入してください。

※千葉銀行では、連帯債務の住宅ローンの場合、残高等証明書の摘要欄に連帯債務者名を記載していますのでご確認(上図の確認②)ください。

なお、連帯債務の負担割合は、住宅ローン控除1年目に実施した確定申告の際に提出した「(付表2)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」で算出したものを使います。連帯債務の方で負担割合を忘れてしまったという方は、確定申告書の控えを確認してみましょう。

2-3.「家屋又は土地等の取得対価の額」、「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」を記入する

次に、住宅ローン控除申告書の下の部分にある「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」に記載されている情報を、住宅ローン控除申告書に転記していきます。住宅ローン控除申告書にも「下のロ」など転記する箇所が記載されていますが、分かりやすく色付けした図を掲載いたしますので、参考にしてみてください。

2-4.「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」を記入する

先程記入した「家屋又は土地等の取得対価の額」の住宅と土地の合計金額と、年末残高の少ない方の金額を記入します。

2-5.「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」を記入する

2-4.で転記した「取得対価の額に係る借入金等の年末残高」(下図A)に、予め算出した「家屋の総床面積又は土地等の総面積のうち居住用部分の床面積又は面積の占める割合」(下図B)をかけた金額を「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」に記入します。通常、Bは100%であるため、記入する金額はAと同額となります。

2-6.「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」を記入する

2-5.で算出した「居住用部分の家屋又は土地等に係る借入金等の年末残高」を転記します。

2-7.「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」を記入する

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」に1%かけた金額(100円未満は切り捨て)を記入します。この金額が、住宅ローン控除で控除される金額の最大値です。

2-8.「年間所得の見積額」「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」「備考欄」を記入する

下図のA,B,Cに、「年間所得の見積額」「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」「備考欄」をそれぞれ記入していきます。

A.年間所得の見積額

住宅ローン控除は、年間所得が3,000万円以下の場合のみ受けられる制度であるため、記入する欄です。あくまで「見積額」ですので、前年の源泉徴収票の所得金額をそのまま転記したり、予想される大体の金額を記載すれば大丈夫です。

※年収ではなく年間の所得を入力する点に注意してください。所得額の計算についてはこちらの国税庁のホームページを参照ください。年収から所得金額の目安を算出するシミュレーションも提供されています。

B.連帯債務による住宅借入金等の年末残高

今回の例のように、夫婦や親子による連帯債務で住宅ローンを組んでいる場合には、記入が必要です。自分の負担分の金額ではなく、住宅ローン全体の金額を記入してください。

C.備考欄

「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」を記入した場合には、自分以外の連帯債務者から「私は連帯債務者として、右上の住宅借入金等の残高○○円のうち、〇〇円を負担することとしています」といった文言、住所及び氏名の記入と押印を貰う必要があります。

また、その連帯債務者が給与所得者である場合には、その勤務先の所在地及び名称も併せて記入してもらってください。

以上で必要書類の記入は終了です。記入した住宅ローン控除申告書と残高等証明書を年末調整の書類に添付して勤務先に提出してください。

3.還付金の金額と入金時期

書類の記入が終わると気になってくるのが、「住宅ローン控除の還付金は、いつ、いくら入金されるのか」ということかと思います。ここでは、還付金の金額や入金時期についてご説明します。

3-1.12月の給与に上乗せされ還付される

勤務先にもよりますが、住宅ローン控除の還付金は12月の給与に上乗せされる形で還付されることが多いです。

3-2.住宅ローン控除申告書の金額はあくまで最大値

住宅ローン控除とは、所得税額から控除される制度です。毎月所得税として源泉徴収されてきた金額の合計が、住宅ローン控除申告書で算出した控除額よりも多ければ、控除額全額が還付金として振り込まれますが、控除額よりも少ないようであれば毎月所得税として源泉徴収されてきた金額の合計が上限となります。

例えば、1年間、毎月所得税として源泉徴収されてきた金額の合計が10万円の方は、控除額が20万円だったとしても年末調整で還付されるのは10万円ということになります。留意しましょう。

3-3.所得税から控除しきれなかった金額は翌年度の住民税から控除される

3-3-1.住民税からの住宅ローン控除の金額について

所得税から住宅ローン控除申告書に記入した控除額をすべて控除しきれなかった場合、その差額は翌年度の住民税から最大136,500円まで控除されます。

※居住開始年が2014年から2021年12月31日までで、住宅を購入した際に8%または10%の消費税がかかった場合のみ最大136,500円まで控除されます。中古物件を個人の売り主から購入した場合など、住宅の取得自体に消費税がかかっていない場合は、最大97,500円となります。

3-3-2.住民税からの住宅ローン控除はお手続き不要

住民税からの住宅ローン控除については、特にお手続きの必要はありません。年末調整で住宅ローン控除のお手続きをしていれば、勤務先や税務署を通じて市区町村に情報が連携されるためです。

住民税からの住宅ローン控除がされているかについては、翌年の5月頃に受け取る「住民税決定通知書」(名称は市区町村によって異なります)で、確認することができます。

3-3-3.住民税からの住宅ローン控除では還付金の振込はない

住民税からの住宅ローン控除の場合は、翌年6月以降に源泉徴収される住民税が減額される形で控除されます。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。年末調整で提出する住宅ローン控除の書類は、手元に揃ってしまえば、あとは一つ一つ記入していくことで、思ったよりも簡単に仕上げることができます。

年末調整では確定申告よりも簡単な手続きで済みますので、ぜひ忘れないよう手続きをしていただければと思います。

※税金に関する詳細及び具体的な取扱については税理士など専門家にご確認ください。

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