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ちばぎん
お金のこと
2023.10.26

賃貸と持ち家はどちらがお得?

マイホーム購入を考え始めた時に気になるのが、賃貸と持ち家、結局どっちがお得なの?ということ。この記事ではそれぞれの生涯コストとメリット・デメリットを比較します。

目次
  1. 1.賃貸と持ち家50年分のコストを比較
  2. 2.持ち家のメリット・デメリット
  3. 3.賃貸のメリット・デメリット
  4. 4.まとめ

1. 賃貸と持ち家50年分のコストを比較

賃貸と持ち家について、50年住んだ場合のコストをシミュレーションして比較してみましょう。
前提条件として期間は35〜85歳の50年間、4人家族(夫婦・子ども2人)を想定します。
間取りは4人家族に適した3LDK~4LDKとし、65歳の定年退職にあたり賃貸の場合では、コンパクトな間取りに引っ越しを、持ち家の場合では、メンテナンスとリフォームを行うとします。

賃貸の場合

ファミリー向けの間取り3LDKの千葉県の家賃相場は、12万円程度と想定されます。
その後65歳の定年退職時には、子ども2人は独立しているものとし、夫婦2人で暮らすのに十分な間取り1LDK~2LDK(家賃相場は8万円程度)に引っ越しするものとします。
また、それぞれの入居時には、初期費用として敷金と仲介手数料を、その後は2年に一回の更新料を支払い、各費用は家賃1ヶ月分相当とします。

シミュレーション結果は以下の通りです。

①費用(35~65歳、3LDK、家賃12万円)

敷金 12万円
仲介手数料 12万円
家賃(30年分) 4,320万円
更新料(2年に一回) 168万円
合計 4,512万円

②費用(65~85歳、1LDK~2LDK、家賃8万円)

敷金 8万円
仲介手数料 8万円
家賃(30年分) 1,920万円
更新料(2年に一回) 72万円
合計 2,008万円

50年間の総コスト(①+②)

総合計 6,520万円

持ち家の場合

住宅金融支援機構が行ったフラット35利用者調査によると、土地付き住宅の全国平均は広さ111.5㎡、価格4,257万円となっているため、これをもとにシミュレーションします。
住宅価格の1割を頭金として用意し、諸費用は土地の仲介手数料などを含めて住宅価格の5%とします。
住宅ローンの借入期間は35年、借入額は頭金を除いた3,832万円。計算しやすいように全期間固定金利1.5%としました。
住宅ローン控除は13年間で約269万円が還付されますので、この分は住宅ローンの総支払額から差し引きます。
住まいを長持ちさせるメンテナンスは15年おきに行い、一回あたり150万円。リフォームは30年目で一度行い、300万円とします。なお、固定資産税は物件価格から年間およそ10万円と想定しました。

シミュレーション結果は以下の通りです。

①初期費用

頭金(住宅価格の1割) 425万円
諸費用 212万円
合計 637万円

②住宅ローン(35年・全期間固定金利1.5%)

借入額(住宅価格の9割) 3,832万円
ローン利息 1,096万円
合計(総支払額) 4,928万円

③住宅ローン控除(13年・0.7%)

合計 269万円

④維持費他

メンテナンス(15年おき) 450万円
リフォーム 300万円
固定資産税(年10万円) 500万円
合計 1,250万円

50年間の総コスト(①+②-③+④)

総合計 6,546万円

結果

シミュレーションから50年間の総コストは、

賃貸 :6,520万円
持ち家:6,546万円

となり、賃貸と持ち家であまり大きな差は見られませんでした。
しかし、住宅コストは不動産価格や家賃相場、金利動向など様々な要因によって左右されます。そのため、生涯コストの比較だけでどちらがお得かを判断することは非常に難しいです。
賃貸と持ち家は、メリット・デメリット等も踏まえて、総合的に判断していく必要があると言えるでしょう。

2. 持ち家のメリット・デメリット 

持ち家のメリット
  • 資産になる
  • 住宅ローン完済後は住居費の負担が軽くなる
  • 好みに合わせて住まいのカスタマイズができる
  • 住宅取得を優遇する制度がある
持ち家のデメリット
  • 住宅購入時の費用負担が大きい
  • 簡単に引っ越しできない
  • 固定資産税などの税金がかかる

2-1. 持ち家のメリット

持ち家の大きなメリットは自分の資産になることです。将来にわたって資産価値が下がらないエリアを見極める必要がありますが、住みながら資産形成ができることは非常に有利と言えるでしょう。
住宅ローンを完済した後は住居費の負担が一気に軽くなるため、金銭面の不安なく、安心して老後を暮らせます。
また、住まいのカスタマイズも自由なので、住みやすさを追求しやすくもあります。例えば、お子さんが独立した後は部屋数を減らし、リビングルームを広くしたり、介護に備えてバリアフリー対応にしたりするなど、ライフスタイルにあわせた暮らしができます。
そして取得にあたっては、住宅ローン控除や国や自治体で行っている補助金制度などを利用できる場合があります。

2-2. 持ち家のデメリット

持ち家は家の購入代金だけでなく、諸費用や税金などで一度に大きな金額が必要になります。多くの人が住宅ローンを利用して購入していますが、ローンの返済は数十年にわたり続くため、収入の変化などで返済が難しくなると手に入れたマイホームを手放すことになりかねません。将来のライフプランを見据えて無理のない返済計画を立てることが大切です。
また、もし周辺環境が良くなかった、あるいは悪くなってしまったとしても簡単には引っ越しできません。加えて、住み続ける限り毎年、固定資産税がかかるのも持ち家特有のデメリットと言えるでしょう。

3. 賃貸のメリット・デメリット 

賃貸のメリット
  • 引っ越ししやすい
  • 収入の変化に応じて家賃をコントロールできる
  • メンテナンスコスト、住居にかかる税金が不要
賃貸のデメリット
  • 自分の資産にならない
  • 高齢になると借りにくくなる
  • 住まいのカスタマイズが自由にできない

3-1. 賃貸のメリット

賃貸のメリットは、持ち家にはない「身軽さ」です。
ライフスタイルや周辺環境の変化などに応じて気軽に引っ越しすることができます。また、住宅ローンのような長期にわたる金額の決まった返済がないため、収入の変化によって家賃の金額を柔軟にコントロールすることが可能です。あくまで建物の維持・管理は所有者であるオーナーが行うため、メンテナンスコストや税金等の負担がないことも大きな利点です。

3-2. 賃貸のデメリット

賃貸では住み続ける限り家賃を支払い続ける必要があります。どれだけ長く住んでも自分の資産にならない点は、大きなデメリットと言えるでしょう。持ち家のように住みながら資産形成をすることができないため、別で資産形成を行う必要があります。また、間取りや設備等に不満があっても自由に変更することはできません。
そして、なにより高齢になると収入面や健康状態への不安が生じるため、入居審査が通りにくくなる点もデメリットの一つです。

4. まとめ

「賃貸と持ち家どちらがいいか」というテーマは、長く議論が交わされつつも、いまだに結論が出ていません。
なぜかというと、検討する人それぞれの価値観やライフスタイルによって重視するポイントが変わるからです。

しかし、近年の経済動向や公的年金をめぐる状況から将来のお金の不透明感がどんどん増しており、自ら取り組む資産形成の重要さが強まるのではないかと予想されています。
そう考えると、資産形成につながる持ち家は、現代に合っていると言えるのではないでしょうか。

ぜひ色々な観点から、自分にはどちらが向いているのかを考えて選ぶようにしましょう。

「ちばの住まいコンシェルジュ」では住宅ローンの相談はもちろん、マイホームの資金のアドバイスやライフプランシミュレーションの作成も行っています。
中立的な立場から一人ひとりに寄り添ったご提案をさせていただきますので、お気軽にご予約ください。

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