子育て世帯からの人気が高まっている千葉県。県内には独自の子育て支援制度を設けている市町村が数多くあり、54の市町村のうち44市町村で待機児童ゼロ(令和5年4月)を達成するなど、年々待機児童数は減少傾向にあります。この記事では子育て世帯に人気のある市町村をピックアップし、具体的な支援制度と周辺環境を紹介します。
千葉県のほぼ中央に位置する市原市。東京湾に面する北部はショッピングエリアが充実しており、千葉駅や都心へのアクセスも良いところが魅力です。一方で、南部は人気の小湊鉄道が走る自然豊かな里山や養老渓谷のほか、市原ぞうの国や千葉こどもの国キッズダムなど自然に触れながら遊べる施設も充実しています。そんな市原市も、子育て世帯に人気のある市の一つです。どんな特徴があるのでしょうか。
市原市では、妊娠・出産・子育てまで、段階に応じた切れ目のない支援を目指す「市原版ネウボラ※」として妊婦健診、妊産婦訪問などの支援のほか、プレ親教室、食育講座など、妊娠中・育児中のママを支えるサービスを展開しています。(※ネウボラとは「アドバイスの場」を意味するフィンランド語です。)
相談専用ルームMOM(マム)では、子育てや子どもの健康に関する相談に対応しており、2017年からは母子健康手帳交付の際に、妊婦さん全員に保健師等の専門職による面談を行っています。また、妊娠・出産・子育てに関するサービスの紹介や、子育て応援プランを作成することで、一人ひとりの状況に応じてきめ細かに支援します。
市原市内では、お子さんやその保護者、また妊娠中の方にも優しい子育てタクシーが利用できます。荷物が多くなりがちな乳幼児を連れた外出時や、保育園や学童、塾などに急な仕事でお迎えに行けないとき、陣痛時のスムーズな送迎など、子育て中のご家庭で安心便利に利用できる制度です。
子育てタクシーは、(社)全国子育てタクシー協会が認定した優良会社のなかでも、協会指定の養成講座を受講し、子育て支援施設での保育実習を修了したドライバーのみ乗務が認められているため、いざというときに安心して任せられますね。市原市では、2社のタクシー会社が認定されています。
<コース種類>
「かんがるーコース」 | 荷物が多い子連れの外出を協力サポート |
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「ひよこコース」 | 通園・通学・通塾などお子さん一人でも安心送迎 |
「こうのとりコース」 | 陣痛が来たら産院に直行 |
「ふくろうコース」 | 急なトラブルや夜間の発熱などにも対応 |
東京湾に面した房総半島の入り口である木更津市。沿岸部にはアウトレットモールをはじめ、大型の商業施設が多く立地する一方、内陸部には美しい上総丘陵が広がり、海と山の豊かな自然に囲まれたエリアです。また、東京湾アクアラインに近いため、駅やバスターミナルからは都心行きの高速バスが多く運行しています。そんな都心へのアクセスの良さと豊かな自然、温暖な気候に惹かれ、都心や他県から移住する子育て世帯が増加しています。
高速バス利用時のターミナル駅までの所要時間
木更津市では、2歳以下の乳幼児について、認可保育施設に申し込んでいながら入園ができず、認可外保育施設に預けている保護者に対して、認可保育施設に通園した場合の保育料と認可外保育施設に実際に支払った保育料の差額を、月額2万円(千円未満切り捨て)を上限に助成しています。
妊娠から出産、育児までをフルサポートするサービスとして、母子手帳アプリ「母子モ」の木更津市版「きさ♡チルアプリ」を導入しています。アプリを通してお子さんの健診や予防接種のスケジュール管理、お子さんの成長記録や思い出を家族に共有できるほか、地域の育児情報としてお住まいのエリアのイベント情報、補助金や子育て支援制度、妊娠中・子育てのアドバイスや災害時の緊急情報なども配信しています。また、地域の子育て施設を検索することもできため、子育て中のパパママにとって心強いサービスですね。
袖ケ浦市は千葉県の中央、東京湾に面した立地で、市原市と木更津市と接しています。
北西部の湾岸エリアは埋立地となっており、電気・ガス・石油などのエネルギーを首都圏に供給するプラントが立ち並びます。一方で、市の中央から南東部にかけては田園風景が広がり、稲作や農業、畜産が盛んに行われているほか、ゴルフ場やキャンプ場のある山林など自然が多く残されています。袖ケ浦市もまた、館山自動車道や東京湾アクアラインなどにより都心へのアクセスが良好であることから、近年人口増加率では県内で上位にランクインするなど、子育て世帯に人気のエリアとなっています。
袖ケ浦市は人口6万5千人のコンパクトな街でありながら、湾岸部に拠点を置く大手企業からの安定した税収により、2022年度の財政力指数では浦安市、成田市に次ぎ県内3位の水準です。市の財政力が高いことは、今後長く暮らすうえで安心材料にもなりますし、更なる行政サービスも期待できそうですね。子育て環境を考えるうえで気になる治安ですが、2022年に発生した人口1万人あたりの犯罪件数で見てみると、袖ケ浦市は37.4件と近隣の木更津市60.3件、市原市55.9件、君津市52.4件と比較しても治安がよいといえますね。
令和4年度犯罪発生件数 | 人口1万人あたりの発生件数 | |
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袖ケ浦市 | 242件 | 37.4件 |
木更津市 | 823件 | 60.3件 |
市原市 | 1,484件 | 55.9件 |
君津市 | 420件 | 52.4件 |
近年、袖ケ浦駅北口の再開発により、ショッピングモールや高層マンション、ホテル、住宅などが建設され、街のにぎわいが増しています。2019年に開業した「ゆりまち袖ケ浦駅前モール」は、駅から徒歩1分のショッピングモールで、スーパー、ドラッグストア、飲食店などが入っています。また、木更津方面に少し足を伸ばせば、「三井アウトレットパーク木更津」、「コストコホールセール木更津倉庫店」、「カインズモール木更津金田店」なども近く、日々の買い物には困りません。
袖ケ浦は駅近の立地でもゆったりとした分譲地が多く、のどかな雰囲気でありながらも都心へのアクセスが良い点から、注目が集まっています。今後も開発が見込まれるので、ますます街の発展が楽しみですね。
富津市は千葉県南部に位置し、アウトドアを楽しめる自然環境がありながらも都心へのアクセスの良さから、移住先として注目されている市の一つです。マザー牧場や富津公園など、家族で一緒に楽しめるレジャー施設が充実しているほか、40kmにおよぶ海岸線では、釣りや潮干狩り、さまざまなマリンスポーツも行えるため、仕事だけでなく潮風を感じながらプライベートも満喫でき、ワークライフバランスを叶えられそうですね。
富津市では、お子さんが生まれた月または転入した月の翌月から1歳の誕生月まで、紙おむつや歯みがき用品、離乳食などのお好きな育児用品が毎月4,000円分(4,000円を超過した分は自己負担)「すくすくギフト」として自宅に届きます。お子さんが生まれたばかりで、買い物にも行きにくい時期には助かりますね。その他にも、子育て世帯の経済的負担を軽減するために、新生児から使えるチャイルドシート(乳幼児用・幼児用)の貸し出しサービスも行うなど、独自の子育て支援制度を行っています。
富津市では、妊娠中や出産後、日中家族等の援助を受けられず支援が必要な家庭に、産前産後ヘルパーが訪問し、家事や育児のサポートを行っています。例えば、食事の準備・片付け、買い物、洗濯や掃除などの家事から、授乳やおむつ交換、もく浴の介助や上のお子さんのお世話などを手伝ってもらうことができます。
出産や育児に不安を感じる方向けに、支援センターなどで相談を受け付けている市町村は多いですが、富津市ではより気軽に自宅から相談できるようにオンライン会議アプリZoomを利用したオンライン相談も行っています。お子さんが小さく、外出が大変なときでも、自宅から相談できると便利ですね。
以上、4つの市の子育て支援制度と周辺環境をご紹介しました。
マイホームの購入エリアを検討する際、勤務先への通勤経路や実家へのアクセスなどで路線や駅を決めることが多いと思いますが、このような支援制度や子育て環境も参考にしてみてはいかがでしょうか。
今回は内房エリアを取り上げましたが、今後県内の他のエリアの市町村についても紹介予定です。
「ちばの住まいコンシェルジュ」では、千葉県内のエリアごとの特徴や地域の情報をお伝えしながらマイホーム購入のお手伝いをいたします。お気軽にご予約ください。
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