銀行員が伝えるジュニアNISAのデメリット!積極的に活用すべき人とは?

「ジュニアNISAのデメリットって何かあるの?」「ジュニアNISAで資産運用しても大丈夫なの?」

お子さまの教育資金をしっかり準備するためにジュニアNISAを検討しているけど、本当にジュニアNISAで資産運用していいのか不安になっていませんか?

ジュニアNISAのメリットばかりに目がいってしまいがちですが、デメリットについても把握しておかなければ、期待通りに教育資金を準備できないかもしれません。メリットだけでなくデメリットについてもしっかり理解することが重要です。

この記事ではジュニアNISAを活用するメリットやデメリット、ジュニアNISAを活用すべき人の条件などを詳しく解説します。今回の記事がジュニアNISAを活用するかどうかの判断基準となれば幸いです。

1.ジュニアNISAのデメリット

まずジュニアNISAのデメリットを解説します。
デメリットを知り、ジュニアNISAのリスクを正しく理解することで、自分にあった運用ができるようになります。

1-1. ジュニアNISAからの途中引き出しは課税対象となる

18歳未満で出金や口座廃止をすると、非課税となるはずだった売却益や配当が課税対象となってしまいます。

原則としてジュニアNISAは口座開設者であるお子さまが18歳(3月末時点で18歳となる年の前年の年末)になるまでは、お金を引き出すことができません。0歳から預けた場合、18年間はお金を引き出せないことになります。

途中で引き出してしまうとジュニアNISAのメリットが生かせなくなってしまうので、ジュニアNISAに投資する資金は、引き出す必要のない余裕資金を回すようにしましょう。

(ただし災害等で急にお金が必要となった場合には、税務署から承認を受けることによって非課税での引き出しが可能です。)

1-2.金融機関の変更ができない

通常のNISAであれば年に1回だけ金融機関の変更が認められていますが、ジュニアNISAの場合は金融機関の変更が認められていません。

どうしても金融機関を変更したくなった時は、ジュニアNISA口座を廃止して、変更先の金融機関で新規にジュニアNISA口座を開設する必要があります。

ただし、さきほどもお伝えしましたが、18歳未満でジュニアNISA口座を廃止すると、それまでに出た売却益や配当に対して税金がかかります。

新規口座開設にも1か月~2か月程度の時間がかかるため、途中で金融機関を変更しなくてもいいように、きちんと下調べを行うことが大切です。

1-3.配当金・分配金が課税される可能性がある

証券会社等では、ジュニアNISAで上場株式や上場投資信託(ETFやREITなど)という商品を購入することができます。

その際、上場株式の配当金や上場投資信託の分配金を非課税にするためには、受取方法を「株式数比例配分方式」にする必要があります。

それ以外の受取方法を選択してしまうと、課税対象となってしまうので注意が必要です。

受取方法 どうやって受け取るか 非課税で受け取れるか
配当金領収証方式 受け取りの時期に配当金領収証が発送される。郵便局で換金する必要あり。 ×
登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式 すべての分配金などが
銀行口座へ振り込まれる。
×
株式数比例配分方式 各証券口座に分配金などが振り込まれる

受取方法は口座開設時に「配当金受領証方式」「登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式」「株式数比例配分方式」の中から選べるので、 「株式数比例配分方式」を選択しましょう。

※千葉銀行では、上場株式や上場投資信託の取り扱いはありませんので、千葉銀行でジュニアNISAを開設する場合は、特に意識する必要はありません。

1-4.損益通算ができない

ジュニアNISA口座で損失が生じたとしても、特定口座や一般口座で得た利益(売却益や配当など)と損益通算ができません。

たとえば特定口座で100万円の利益、ジュニアNISA口座では100万円の損失だったとしても、特定口座の利益に対して約20%の税金がかかってしまいます。

通常であれば損益通算によって税金がかかりませんが、ジュニアNISA口座は損益通算の対象外となりますので、収支が±0だったとしても税金を支払うことになってしまいます。

ただし、課税ジュニアNISA口座の場合には、確定申告することによって特定口座、一般口座と損益通算ができます。

課税ジュニアNISA口座とは、ジュニアNISA口座開設時に併せて開設される投信口座です(※千葉銀行では課税未成年者口座という名称です)。主に、ジュニアNISA口座で運用していた投資商品を換金・売却した代金を、お子さまが18歳になるまで管理するために用いられます。

ジュニアNISAと同じく18歳までお金を引き出すことはできませんが、年間80万円といった制限なく投資することができますので、ジュニアNISAの非課税枠80万円は使い切ったが、さらに投資したいという場合にも利用される場合があります。(※課税はされます。)

1-5.贈与税の対象となる

ジュニアNISAの非課税枠である年間80万円ですが、あくまでジュニアNISAで投資した金融商品の配当金、譲渡益等にかかる税金が非課税となるものです。両親等のお金でジュニアNISAによる投資をする場合、両親等からお子さまに贈与した上で投資することになるため、贈与税の計算対象になりますので注意が必要です。

ジュニアNISAの資金以外にもお子さまへの贈与があり、その合計金額が年間110万円を超えてしまうと贈与税の課税対象となってしまう可能性があります。

贈与する金額が多額になり年間110万円超えてしまいそうな場合は、事前に正確な金額を把握しておきましょう。

1-6.2023年12月末でジュニアNISAの制度が終了する

現在の法律では、2023年12月末にジュニアNISAの制度が終了するため、それ以降、新たに買い付けることはできません。

2018年の時点で0歳のお子さまが新規に口座を開設するとなると、5歳までの5年間しかジュニアNISAで投資することができないことになります。

今後ジュニアNISAの制度がどうなるかは不明ですが、2023年末12月末までの投資期間になることを念頭に投資計画を立てる必要があります。

1-7.元本割れのリスクがある

ジュニアNISAはあくまでも投資なので、定期預金のように元本は保証されていません。つまり投資したお金が減ってしまう恐れがあります。

元本割れのリスクがあるからこそ、運用益を得られる可能性があるということを理解しておきましょう。

2.ジュニアNISAのメリット

ここまでデメリットを説明してきましたが、ジュニアNISAには当然メリットもあります。

ジュニアNISAのメリットをいくつか紹介します。

2-1.お子さまの教育資金を準備することができる

ジュニアNISAは、お子さまの教育資金を準備するために活用することができます。

例えばお子さまを幼稚園から大学まで通わせた場合、一般的に以下のような費用がかかると言われています。

  公立 私立
文系 理系
幼稚園 63万円 149万円
小学校 192万円 922万円
中学校 144万円 402万円
高校 123万円 297万円
大学 入学時 80万円 96万円 120万円
学費 405万円 600万円 760万円
合計 1,007万円 2,466万円 2,650万円

参照:https://asset-campus-oag.com/new-life-gift-tax-1799

ジュニアNISAで運用できる株式や投資信託などは、預貯金や学資保険よりも大きく資金を増やせる可能性があるほか、ジュニアNISAであれば、運用で得られた利益が非課税になるというメリットがあります。

ジュニアNISA口座に預けたお金はお子さまが18歳になると引き出せるようになるため、ちょうど大学進学の際の入学金や学費等に充てることができ、教育資金の準備に適している制度と言えます。

仮に大学に進学しなかったとしてもお子さまの結婚や留学などの資金に充てることもできます。

2-2.非課税でロールオーバーできる

ジュニアNISA口座の非課税で投資できる期間は5年間となっていますが、ロールオーバーという制度を利用すれば、お子さまが20歳になるまでは保有期間を延長することができます。

2023年12月末にジュニアNISAの制度は終了しますが、お子さまが20歳になるまでは、ジュニアNISA口座内で購入した金融商品を非課税で持ち続けることができるのです。

ジュニアNISAの制度終了後の保有期間中も運用は継続されますので、長期間非課税で運用できるメリットがあります。

2-3.お子さまへの投資教育になる

学校ではお金や投資について実践的に学ぶ機会はほとんどありません。しかし、お金とは一生付き合い続けることになりますので、経済感覚を磨くことは重要なことです。

ジュニアNISAは、お金や投資について親子で会話するとても良いきっかけになりますので、お子さまの投資教育のためにも活用してみてはいかがでしょうか。

3. ジュニアNISAを活用すべき人の条件

ジュニアNISAを活用すべき人の条件を箇条書きでまとめました。

ジュニアNISAを活用する上でも、自分がジュニアNISAに向いているか、向いていないかをチェックしておきましょう。

  • 学資保険よりもリターンを得たい人
  • 元本割れのリスクを取れる人
  • お子さまが18歳になるまで現金に余裕がある人
  • コツコツ時間をかけて運用したい人
  • 金融商品の毎日の価格変動に気をとられたくない人
  • 生前贈与をしておきたい人
  • お子さまに資産運用の勉強をさせたい人

4. ジュニアNISAの始め方

ジュニアNISAは各金融機関の窓口等で申し込むことができます。

ジュニアNISA口座開設の流れと必要な書類について、簡単に解説します。

4-1.ジュニアNISA口座開設の流れ

ジュニアNISA口座開設の流れ

(画像をタップで拡大)

引用元:金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/start/index.html

4-2.必要書類

【お子さま】

  • 個人番号が分かる書類(個人番号カード・通知カードなど)
  • 本人確認書類(保険証など)

【親権者】

  • お子さまと親権者の関係が分かる住民票の写し
  • 本人確認書類(保険証・免許証など)
その他、金融機関やお取引の状況に応じて、必要書類が異なる可能性があるため、事前に金融機関に確認するようにしましょう。

5. まとめ

ジュニアNISAは、非課税で投資できるというメリットがあります。

しかし、損益通算ができないため、ジュニアNISA以外でも運用している場合には、結果的に税金を多く支払う可能性があるというデメリットもあります。また、やむを得ず金融機関を変更したり18歳未満で引き出す場合には、課税対象として解約・換金しなければならないため、予想していなかった税金が発生する可能性もあるので注意が必要です。

こうした、ジュニアNISAのメリット・デメリットの両方を把握した上で、ジュニアNISAを活用するかどうか検討していただければ幸いです。