積立投信とは?初心者が知るべき積立型投資信託の全体像と始め方

今の稼ぎ以外に投資で資産を増やしていきたいけど、あまり投資にかける時間もないし、まとまったお金もない。それにできればリスクもあまり取りたくない。このようにお思いの方、多いのではないでしょうか?

 積立投信は、そんな方々にぴったりの投資手法です。
なぜなら、積立投信には以下のメリットがあるからです。

  • 毎月自動積立だからストレスが少ない(投資に気を配る必要がない)
  • 少額で投資をスタートできるので始めやすい
  • 投資のプロ(ファンド)が運用してくれる
  • リスクの軽減が期待できる(分散投資・ドルコスト平均法)
  • ※メリットの詳しい内容は、「2−1.積立投信のメリット」で説明します

また、2018年1月より「つみたてNISA」という積立投信の取り組みを支援する非課税制度もできました。この制度を活用することで、投資によって得られた利益に対する税金20.315%を0%にすることができます。

そこで、今回は、積立投資のメリットやデメリットを含めた積立投信の全体像をご紹介するとともに、積立投信を行うなら活用すべき「つみたてNISA」の概要と口座の開き方までご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

1.積立投信とは

積立投信とは積立型の投資信託のことを言います。
言葉の通り、毎月一定額の投資信託を購入しながら、積み立てていくことを指します。

では、投資信託とはどういうものなのか?

投資信託とは、投資家が投資のプロに投資を委託し、運用してもらう投資手法です。
具体的には、投資のプロが投資をしたい複数の人から投資資金を集め、ファンドを作ります。そのファンドが国内外の株式市場や債券市場などの金融市場で投資を行うことで得られた運用損益を投資家に還元するという投資手法になります。

※分散投資とは

投資信託の大きなメリットとして、分散投資があります。
分散投資とは、1つの金融商品にだけ投資をするのではなく、国内外の株や債券などの様々な金融商品に分散して投資を行うことを指します。そうすることで、投資リスクを分散することができ、比較的安全に資産運用ができます。なぜなら、投資資金をひとつの金融商品にだけ投資した場合、その商品の運用がうまくいかなかった場合に大きく資産を減らしてしまうからです。
通常、複数の金融商品に投資するには、多くの資金が必要になりますが、投資信託を行うことで、少額の投資資金で分散投資を行うことができます。

積立投信の特徴

積立投信の大きな特徴として、1,000円〜という金額から積み立てを行えるため、株式投資やFXなどの他の投資手法と比べて、投資初心者の方でも始めやすい投資手法だといえます。
また、積立投信はプロに投資を委託することで、大幅に資産を減らしてしまうリスクを低減させることが期待でき、毎月自動で一定額の積立を行うことで、投資の手間を最小限に資産作りを行えるメリットもあります。

次章では、このような積立投信のメリットや知っておくべき積立投信のデメリットを見ることで、さらに積立投信の全体像を把握していきましょう。

2.積立投信のメリット・デメリット

ここでは、積立投信のメリット・デメリットをご紹介します。
積立投信の具体的なメリットとデメリットを把握することで、積立投信について理解を深めていきましょう。

2-1.積立投信のメリット

積立投信のメリットは、下記の4つです。
それでは、積立投信のメリットを具体的に見ていきましょう。

  • 毎月自動積立だからストレスが少ない(投資に気を配る必要がない)
  • 少額で投資をスタートできるので始めやすい
  • 投資のプロ(ファンド)が運用してくれる
  • リスクの軽減が期待できる(分散投資・ドルコスト平均法)

① 毎月自動積立だからストレスが少ない(投資に気を配る必要がない)

積立投信は、株やFXなどの投資手法と比べて、ストレスを最小限に投資に取り組めます。なぜなら、積立投資では、投資の最初に購入するファンドと毎月の購入金額を決め、その後は、自動で毎月積立がされ、資産作りができるからです。つまり、株式投資やFXなどの投資と比べると、投資商品の購入のタイミングや毎日の価格変動などを気にすることなく投資ができるので、ストレスを最小限に資産運用ができるということです。

もし、投資を自分で行う場合、自分で銘柄を選定し、毎日の値動きを気にして投資を行うことになるので、心理的なストレスを生む可能性が大きくなります。

そのため、投資に取り組む時間をあまり確保できない方は、積立投信が非常に有効な投資手法となります。

②1,000円で投資をスタートできるので始めやすい

積立投信は1,000円という少額から積立投信をスタートできます。
これが、株式投資や債券投資の場合は、ある程度まとまった投資資金が必要になります。例えば、株式投資で購入する企業の株価が1株1000円とすると、売買単位は100〜1,000株となるため、株式を購入するには10万円〜100万円の投資資金が必要となります。

このように他の投資に比べて少額で投資をスタートできるので、投資をしたいが、あまり資金がないという方には、投資を始めやすいのが特徴です。

③投資のプロ(ファンド)が運用してくれる

積立投資では、投資のプロが、市場や企業の動向などを調査・分析し、ファンドの投資先選定や運用を行います。

もし、自分で投資をする場合、一から株や債券などの投資に関する勉強をする必要があります。そのためには、多くの時間を必要とします。しかし、積立投信なら投資のプロに運用を委託できるため、早く投資に取り組むことができます。

このように、投資に関わる全てを投資のプロに委託することができます。

④リスクの軽減が期待できる

積立投信では、下記2つの投資手法が活用されるため、投資リスクの軽減が期待できます。

(1)分散投資

「分散投資」とは、1つの金融商品にだけ投資をするのではなく、国内外の株や債券などの様々な金融商品に分散して投資を行うことを指します。
この分散投資を行うことで、比較的安全に資産運用ができると言われています。
なぜなら、投資資金をひとつの金融商品にだけ投資した場合、その商品の運用がうまくいかなかった場合に大きく資産を減らしてしまいます。しかし、分散投資のように複数の金融商品に投資を分散させておけば、リスクを軽減することができ、安定的な収益を期待することができます。

投資の格言に「卵は一つの籠(カゴ)に盛るな」というものがあります。
もし卵を一つのカゴに盛った場合、そのカゴを落とした時、全部の卵が割れてしまうかもしれません。しかし、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としたとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすみます。
これは、分散投資の大切さを説いた格言です。

このような分散投資を少額で行えることは、投資信託ならではの大きなメリットです。

(2)ドルコスト平均法

ドルコスト平均法では、毎月一定金額ずつ積立投信を購入していくことにより、価格が高い時には少ない口数を購入し、安いときには多い口数を購入していきます。このようにすることで、一度にまとめて購入したり、毎回一定口数を購入する場合より、平均の購入単価を平準化することができるため投資リスクを小さくすることができると言われています。

2-2.積立投信のデメリット

積立投信のデメリットは、下記の3つです。

  • 手数料がかかる
  • 元本保証がない
  • 売却益や分配金に課税がある

投資を行う上で、メリットだけではなく、デメリットに目を向けることも大切です。
ここで、積立投信のデメリットを具体的に把握しておきましょう。

①手数料がかかる

積立投信では、プロに運用を委託するため、様々な手数料が発生します。
いずれも手数料の金額は一律ではなく、各ファンド・投資信託によって異なります。
具体的には、下記の3つの手数料の支払いが必要です。積立投信を購入する時は、事前にこれらの手数料がいくらかかるのか把握しておきましょう。

  • 販売手数料
    積立投信のお申込時に手数料がかかります。
  • 信託報酬
    プロによる運用手数料がかかります。
  • 信託財産留保額
    各積立投信に定められた運用期間に満たないうちに積立投信を手放すと信託財産留保額がかかる場合があります。

  • ※これ以外にも間接的に負担する費用があります。

②元本保証がない

積立投信は、あくまで投資です。そのため、積立定期預金などの預金の積立とは違い、元本は保証されていません。つまり、積立投信で預けたお金が減ってしまう可能性があるということです(元本割れ)。

このように元本割れのリスクがあることを認識しておきましょう。そのリスクがあるからこそ資産が増える可能性もあるのです。

③売却益や分配金に課税がある

積立投信の売却で得た売却益や保有している口数から得られる分配金は課税対象です。
2018年現在、積立投信の売却益や分配金に対して20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)の税金がかかります。つまり、もし20万円の利益が出た際には、4万630円の税金がかかるということです。

こういった税金にまで目をむけることも投資を行う上で大切です。

このような税金が非課税になる制度として「つみたてNISA」が2018年1月より始まりました。この「つみたてNISA」を活用することは、投資家にとって大きなメリットになります。次章以降で、「つみたてNISAの概要」と「つみたてNISA口座の作り方」をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

3.積立投信はつみたてNISAで始めよう

「つみたてNISA」とは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。つみたてNISAの概要は以下になります。

利用できる方 日本にお住まいの20歳以上の方(口座を開設する年の1月1日現在)
ただし、 つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択して利用可能
非課税対象 一定の投資信託への投資から得られる分配金や譲渡益
口座開設可能数 1人1口座(※1)
非課税投資枠 新規投資額で毎年40万円が上限(※2)(非課税投資枠は20年間で最大800万円)
非課税期間 最長20年間
投資可能期間 2018年~2037年
投資対象商品 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
○ 例えば公募 株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
  • 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
  • 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  • 分配頻度が毎月でないこと
  • ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

※1 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。また、NISA口座内で、つみたてNISAと一般NISAを1年単位で変更することも可能です。ただし、つみたてNISAですでに投資信託を購入している場合、その年は他の金融機関又は一般NISAに変更することはできません。
※2 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。出典:金融庁|つみたてNISAの概要

この「つみたてNISA」を活用することで、つみたてNISA口座で投資した積立投信の売却益や分配金にかかる税金が非課税になります。つまり、通常ならば、利益に対して20.315%の税金が掛かるところ、「つみたてNISA」制度を活用することで0%の税率で積立投信を行うことができるということです。この制度を活用できることは、積立投信を始める上で大きなメリットになります。

そのため、この制度を活用し、積立投信を始めてはいかがでしょうか。
次章でつみたてNISA口座の作り方をお伝えします。

【つみたてNISAの特徴】

  1. 非課税期間は、投資を開始してから最長20年間
  2. 毎年40万円(最大投資額800万円)までの投資が非課税になる
  3. 投資対象は、長期運用に適した購入時手数料無料、低コストの投資信託に限定
  4. 金融庁が定めた一定の条件の投資信託のみが投資対象

《「つみたてNISA」の非課税枠のイメージ》

つみたてNISAの詳しい内容は、『銀行ではじめるNISA・つみたてNISAガイドブック(全国銀行協会)』をご覧ください。

4.つみたてNISA口座の作り方

つみたてNISA口座を始めるためには、以下の2つのステップを踏む必要があります。

  1. 金融機関で専用口座を開設する
  2. つみたてNISA口座を開設する

※NISA口座をお持ちの方はご覧ください

NISA口座をすでにお持ちの方は、つみたてNISA口座との併用ができないので注意が必要です。1年単位で切り替えができますので、今年度、既にNISAで取引をしている場合は、つみたてNISAでの投資は来年度にからになります。
現行NISAからつみたてNISAへ変更したい場合は、NISA口座をお持ちの金融機関へ「金融商品取引業者等変更届出書(勘定変更用)」または「非課税口座異動届出書」を提出することで済みますので、金融機関に書類等の確認をするようにしましょう。

4-1.金融機関で専用口座を開設する

つみたてNISAを始めるには、金融機関で専用口座を開設する必要があります(銀行であれば投資信託口座、証券会社であれば総合口座)。
なぜなら、つみたてNISA口座は、金融機関の専用口座の中に作るイメージだからです。

まずは、銀行・証券会社・ネット証券会社の中から専用口座を開く金融機関を決め、専用口座の開設手続きを取りましょう(銀行は総合口座と投資信託口座、証券会社・ネット証券会社は総合口座)。専用口座の開設方法は、各金融機関のホームページもしくは窓口で口座開設の手続きがとれるので確認しましょう。

4-2.つみたてNISA口座を開設する

金融機関の専用口座を作ることができたら、つみたてNISA口座を開設することができます。つみたてNISA口座の開設は下記の流れで開設することができるので順番通り行なっていきましょう。
※口座の開設までは必要書類の提出後、1〜2週間ほどかかります。

【手順1】
つみたてNISA口座開設申込書を金融機関(専用口座を開設した金融機関)から取り寄せる

【手順2】
金融機関にNISA口座開設申込書と本人確認書類(マイナンバーのコピー・運転免許書等のコピー)を提出する

【手順3】
金融機関が税務署につみたてNISA口座開設の申請を出します

【手順4】
金融機関からつみたてNISA口座開設通知の連絡があります

【手順5】
つみたてNISA口座での運用を開始します

5.まとめ

積立投信は、投資家のリスクや手間を極力下げながら、資産形成ができる投資手法です。 さらに、少額から投資に取り組めるので、投資の初心者にはとっても取り組みやすいのが積立投信の特徴です。

また、つみたてNISA制度ができたことで、デメリットに挙げた税金も制度内の金額・期間であれば非課税になるため、さらに取り組みやすくなりました。

取り組みやすい今だからこそ、まずはつみたてNISAの口座を開設して積立投信をはじめてみませんか?