事業等のリスク
当行グループでは、事業を取り巻くリスク事象のうち、影響度や蓋然性の観点から重要度の高いリスクを「トップリスク」として、取締役会にて選定しています。「トップリスク」の選定や管理にあたっては、リスク事象を幅広く網羅したリスクマップを作成し、社外取締役やグループ会社も含め議論を実施し、ALM委員会や取締役会にて報告を行っています。トップリスク運営を通じてグループ内のリスクコミュニケーションを深め、リスク認識の共有を図ることで、フォワードルッキングなリスク管理に繋げています。
2023年3月開催の取締役会にて選定した「トップリスク」は次の通りです。
- デジタル転換の遅れ
- 営業地盤悪化による収益力低下
- 与信費用の増加
- 保有資産の価値下落
- 大規模システム障害
- サイバー攻撃
- マネロン対策不備での処分
- 不祥事件の発生
- 大規模自然災害・感染症蔓延による業務停止
- 気候変動・カーボンニュートラル対応
(注)上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。
当行グループの事業その他に関して、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要かつ重要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
1 信用リスク(不良債権問題等)
信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当行が損失を被るリスクであります。その主なリスク事象、当行決算等に与える影響と対応策は以下のとおりです。当該リスクが顕在化する可能性の程度※1は中程度を見込んでおります。なお、顕在化する時期についてはその想定が困難であり、記載しておりません。
リスク事象 | 影響 | 対応策 |
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景気悪化、地域経済動向悪化 |
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震災・台風等の災害発生 | ||
個別与信が特定の国・業種に集中 |
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地価下落 |
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不動産流動性低下 |
- 可能性の程度の目安
高…頻度:概ね1年に1回以上
中…頻度:概ね10年に1回以上 1年に1回未満
低…頻度:概ね10年に1回未満 - 当行グループは貸出先の状況、債権の保全状況及び過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算定した予想損失額に対して貸倒引当金を計上しております。
2 市場関連リスク
市場関連リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の変動により、保有する資産の価値が変動し当行が損失を被るリスクであります。その主なリスク事象、当行決算等に与える影響と対応策は以下のとおりです。当該リスクが顕在化する可能性の程度は中程度を見込んでおります。なお、顕在化する時期についてはその想定が困難であり、記載しておりません。
リスク事象 | 影響 | 対応策 |
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株価の下落 |
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円高の進行 | ||
金利の上昇 |
3 流動性リスク
流動性リスクとは、市場の混乱や当行の財務内容の悪化などにより必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなるリスクや、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより当行が損失を被るリスクであります。その主なリスク事象、当行決算等に与える影響と対応策は以下のとおりです。当該リスクが顕在化する可能性の程度は中程度を見込んでおります。なお、顕在化する時期についてはその想定が困難であり、記載しておりません。
リスク事象 | 影響 | 対応策 |
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調達環境の悪化 |
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当行の信用状態悪化 |
4 オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的事象により当行が損失を被るリスクであります。その項目や主なリスク事象と可能性の程度、当行決算等に与える影響と対応策は以下のとおりです。なお、顕在化する時期についてはその想定が困難であり、記載しておりません。
項目 | リスク事象 | 可能性の程度 | 影響 | 対応策 |
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事務リスク | 過失による一般的な事務事故の発生 | 高 |
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預金誤払いや誤送金など資金移動に関連するもののうち、高額な事務事故の発生 | 低 |
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システムリスク(サイバーリスクも含む) | システムの全面停止大量データの誤処理または滞留が発生したシステム障害 | 低 |
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多数の顧客に影響を及ぼすシステム障害 | 中 | |||
影響が特定顧客に限定されるシステム障害 | 高 | |||
コンプライアンスリスク※3 | 情報漏洩、不祥事件 | 中 |
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訴訟、ADR | 中 |
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マネー・ローンダリング及びテロ資金供与を目的とした金融機能の不正利用 | 低 |
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風評リスク | 評判悪化や風説の流布 | 低 |
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- 2023年6月23日、当行に対して、金融商品取引法第51条の2に基づき、仕組債の勧誘販売に係る金融商品仲介業務に関し、投資者保護上の問題が認められる状況に係る業務改善命令が、当行の連結子会社であるちばぎん証券株式会社に対して、金融商品取引法第51条に基づき、仕組債の勧誘販売につき適合性原則に抵触する業務運営の状況に係る業務改善命令が、それぞれ関東財務局より発令されました。これらにより当行グループに対するお客さまや市場等からの信頼が損なわれ、当行グループの業務遂行や、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
5 その他のリスク
上記1~4以外に認識している重要なリスク項目や主なリスク事象と可能性の程度、当行決算等に与える影響と対応策は以下のとおりです。なお、顕在化する時期についてはその想定が困難であり、記載しておりません。
項目 | リスク事象 | 可能性の程度 | 影響 | 対応策 |
---|---|---|---|---|
規制緩和等による業務範囲の拡大に伴うリスク | 規制緩和等による業務範囲の拡大 | 中 |
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金融制度規制緩和等による競争激化 | 中 |
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営業地盤悪化による収益力低下 | 主要マーケットの経済規模縮小 | 中 |
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デジタル転換の後れ | 次世代金融サービス提供の後れ | 低 |
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デジタル人材の不足 | 低 |
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当行格付の引き下げ | 信用力の低下 | 低 |
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規制水準への抵触 | 自己資本比率等の※4低下 | 低 |
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年金債務の増加 | 市場環境の変化による年金資産の時価下落等 | 中 |
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企業年金制度の変更 | 低 | |||
固定資産の減損※5 | 使用目的の変更 | 中 |
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収益性の低下 | 低 | |||
リスク管理体制※6の不備 | リスクの予測不足 | 低 |
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自然災害 感染症 |
震災・台風等の災害発生 | 中 |
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感染症蔓延※7 | 低 |
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- 当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準やその他諸規制水準を満たす必要があります。
- 保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。
- 当行はリスク管理体制を整備し、内部監査部署がそれらの適切性及び有効性の検証を行うなど、リスク管理の強化に努めております。
- 新型コロナウイルス感染症については、2023年5月より「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(「感染症法」)における「5類感染症」の位置づけとなりましたが、引き続き当行では、融資先の経営状況悪化(信用リスク)、株式相場の悪化および金融市場の混乱(市場関連リスク)等に、複合的に顕在化する可能性があるリスクと認識しております。そのため、融資先の事業継続に最大限の支援を行い、地域経済の安定化に寄与するとともに、信用リスクの顕在化を抑制するほか、マーケット部門において適切なポートフォリオ管理を行い、市場関連リスクの顕在化を抑制することなどによりリスク軽減を図っています。