つみたてNISAの平均利回りは?ファンド選びで重要な3つのポイント

2018年1月にスタートした「つみたてNISA」。気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回はつみたてNISAを活用すると、どのくらいの利回りが期待できるのか、ファンドを選ぶときにどんな点をチェックするべきなのかについて詳しく説明していきたいと思います。

※「つみたてNISA」とは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。毎年40万円まで最長20年間非課税で投資することができます。制度の詳細は「積立投信とは?初心者が知るべき積立型投資信託の全体像と始め方」の「3.積立投信はつみたてNISAで始めよう」をご参照ください。

1.つみたてNISAの平均利回りは?

平均利回りとは、一定の投資期間において、投資した元本が1年あたり平均でどのくらい収益を上げたかを示す指標です。原則、預金や債券など定期的な利払いがある金融商品に使われる指標のため、つみたてNISAのような投資信託などの利払いがない金融商品では「平均利回り」ではなく「平均収益率」が正しい表現とされています。

本記事では一般的な分かりやすさを優先し「平均利回り」と表現させていただきますが、預金や債券における平均利回りのように購入した時点で確定する性質のものではありませんのでご留意いただければと思います。

債券など単利の金融商品の場合、平均利回りは以下のように算術平均で計算します。「投資した元本が、毎年何%の収益を生み出したか」を示しています。

一方、複利の運用であるつみたてNISAの平均利回り(平均収益率)は、以下のように幾何平均で計算します。「投資した元本が、毎年何%ずつ増えたか」を示します。

つみたてNISAの平均利回りは、投資する投資信託(ファンド)によって異なりますが、つみたてNISAは2018年1月にスタートしたばかりの制度であるため、実際の利回りなどの運用成果に関する統計情報は、まだ公表されていません。

そこで、今回は過去のデータを参考にして平均利回りを見ていくこととします。

1-1.つみたてNISA対象ファンドのアセットクラス(投資対象資産の種類)

つみたてNISAで購入できる投資信託(ファンド)は、金融庁が選定した長期・積立・分散投資に適した160ファンド(2019年5月7日時点)に限定されています。

※つみたてNISAを取り扱う金融機関によっては、この160ファンドがさらに選定されており、実際に購入できるファンド数が160ファンド未満となることがあります。

千葉銀行で購入できるつみたてNISAのファンドについてはこちらをご参照ください。

ファンドの平均利回りは「投資対象とする資産の種類(アセットクラス)」によって大きく異なります。まずつみたてNISA対象ファンドのアセットクラスを確認しましょう。

運用手法 アセットクラス 内容
インデックス型 国内株式

日本の株式に投資。TOPIXや日経平均株価に連動。

先進国株式

日本以外の先進国に投資。MSCI World Index(MSCIコクサイ・インデックス)などに連動。

新興国株式

新興国の株式に投資。MSCI Emerging Markets IndexやFTSE Emerging Indexなどに連動。

米国株式

米国の株式に投資。S&P500に連動。

全世界株式

全世界の株式に投資。MSCI ACWI IndexやFTSE Global All Cap Indexに連動。

バランス型
(複数配合型)

複数の指数に連動。債券やREITなど株式以外を含む場合もある。

アクティブ型 ファンドによる

運用担当者が株式・債券・その他資産の運用割合を決定するファンド。指数との連動ではなく、指数を上回る運用成果を目指す。

※つみたてNISA対象ファンドには、債券やREITのみのファンドはありません。
※インデックス型とアクティブ型については、2-1-1.運用手法でご説明いたします。

1−2.対象ファンドのアセットクラス別平均利回り

それでは早速アセットクラス別の平均利回りを見ていきましょう。

前述の通り、つみたてNISAは2018年1月からスタートした制度で運用成果に関する統計情報は公表されておりません。そこで、今回はインデックス型ファンドが連動する株価指数の過去データをもとに、それぞれのアセットクラスファンドを20年間つみたてNISAで積立投資した場合、どれだけの平均利回り(1年あたりどれだけ増えたか)となったかを算出しましたのでご紹介いたします。なお、複数の指数が影響するバランス型や、そもそも特定の指数に連動しないアクティブ型は除外しています。

※20年前の時点で指数が存在しないアセットクラスについては、さかのぼれる最長の年数で算出しています。

アセットクラス 株価指数 平均利回り
(つみたてNISA)
税引き後平均利回り
(通常の積立投信)

国内株式

TOPIX

1.43% 1.17%
先進国株式

MSCI World Index
(MSCIコクサイ・インデックス)

2.63% 2.19%
新興国株式

MSCI Emerging Markets Index

3.67% 3.10%
米国株式

S&P500

3.84% 3.26%
全世界株式

MSCI ACWI Index

3.62%

3.05%

注目すべき点は、計算期間にリーマンショックが含まれる中で、各アセットクラスともにプラスの平均利回りとなっている点です。今後も同水準の平均利回りとなる保証はありませんが、長期間の積立投資による複利・時間分散等の効果は大きいといえそうです。

また、通常の積立投資では運用益に対して20.315%が課税されますが、つみたてNISAでは非課税投資枠内かつ非課税期間内であれば課税されず、その分平均利回りが高くなっています。この点もつみたてNISAの強みと言えます。

投資信託の積立投資については、「積立投信とは?初心者が知るべき積立型投資信託の全体像と始め方」もご参照ください。

上記の平均利回りで計算した、つみたてNISAを最大限活用した場合の運用イメージ(月々33,333円・20年間)がこちらです。平均利回りの数%の違いが20年間では大きな差になることが分かります。

アセットクラス 投資額合計 平均利回り 評価額 運用損益
国内株式 7,999,920円 1.43%

10,627,085円 2,627,165円
先進国株式 7,999,920円 2.63%

13,445,353円 5,445,433円
新興国株式 7,999,920円 3.67%

16,449,307円 8,449,387円
米国株式 7,999,920円 3.84%

16,997,272円 8,997,352円
全世界株式 7,999,920円 3.62%

16,291,362円 8,291,442円

※平均利回り算出における前提条件は以下の通り

  • 国内株式: TOPIXに完全連動する投資信託を、1999年4月から2019年3月まで毎月33,333円積立投資したと仮定。信託報酬は、金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について(2019年5月7日時点)」より国内株式型の平均0.27%を採用。リターンに対する課税率は20.315%を適用。
  • 先進国株式:MSCI World Indexを円換算した指標に完全連動する投資信託を、1999年4月から2019年3月まで毎月33,333円積立投資したと仮定。信託報酬は、金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について(2019年5月7日時点)」より海外株式型の平均0.33%を採用。リターンに対する課税率は20.315%を適用。
  • 新興国株式:MSCI Emerging Markets Indexを円換算した指標に完全連動する投資信託を、2000年12月から2019年3月まで毎月33,333円積立投資したと仮定。信託報酬は、金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について(2019年5月7日時点)」より海外株式型の平均0.33%を採用。リターンに対する課税率は20.315%を適用。
  • 米国株式:S&P500を円換算した指標に完全連動する投資信託を、1999年4月から2019年3月まで毎月33,333円積立投資したと仮定。信託報酬は、金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について(2019年5月7日時点)」より海外株式型の平均0.33%を採用。リターンに対する課税率は20.315%を適用
  • 全世界株式:MSCI ACWI Indexを円換算した指標に完全連動する投資信託を、2000年12月から2019年3月まで毎月33,333円積立投資したと仮定。信託報酬は、金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について(2019年5月7日時点)」より海外株式型の平均0.33%を採用。リターンに対する課税率は20.315%を適用。

2.つみたてNISAのファンドの選び方は?

ここまでつみたてNISAの平均利回りについてご説明してきましたが、実際につみたてNISAで運用するファンドを選ぶときは、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

そもそもつみたてNISAで運用できるファンドは、いずれも金融庁が定める厳しい条件をクリアしているものではありますが、長期間にわたる運用ですので自分自身でしっかりと理解して選択することが重要です。

つみたてNISA対象ファンドの要件の例(出典:金融庁HP)

長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託

○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの

  • 販売手数料はゼロ(ノーロード)
  • 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
  • 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
  • 信託契約期間が無期限または20年以上であること
  • 分配頻度が毎月でないこと
  • ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと

2-1.チェックすべき重要な3つのポイント

つみたてNISAのファンドを選ぶときにチェックすべき重要なポイントは以下の3点です。

  • 運用手法
  • アセットクラス
  • 手数料

それぞれ解説していきます。

2-1-1.運用手法

1点目は、運用手法です。投資信託の運用手法には「インデックス型(パッシブ型とも呼ばれます)」と「アクティブ型」の2種類があります。

インデックス型とは、TOPIXや日経平均株価などベンチマークとする指標と連動する運用成果を目指す運用手法のことで、一般的に運用にかかるコストが低いと言われています。また基本的には運用成果が指標と連動するため、運用状況が分かりやすいというメリットもあります。

一方、アクティブ型とは、ベンチマークとする指標を上回る運用成果を目指す運用手法です。ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、企業研究など様々な情報収集を行い独自の割合で株式等に投資するため、インデックス型と比較し運用にかかるコストが高いと言われています。

運用手法 目指す運用成果 コスト リスク

インデックス(パッシブ)型

指標と連動する運用成果

低い 低い

アクティブ型

指標を上回る運用成果

高い 高い

また、アクティブ型は、運用がうまくいった場合にはインデックス型よりも高い運用成果を得られる可能性がありますが、うまくいかなかった場合にはインデックス型を下回る運用成果となる可能性があります。

後述しますが、長期間の投資であるつみたてNISAでは、コストが運用成果に大きな影響を与えます。ファンドの目利きに自信がある方や積極的に高い運用成果を目指したい方以外は、インデックス型を選択するのが良いでしょう。

2-1-2.アセットクラス

2点目は、アセットクラスです。アセットクラスはさらに「資産」と「地域」の軸で分類することができます。リスク・期待リターンは、資産であれば「株式 > バランス(複合)型 > 債券」の順、地域であれば「新興国 > 先進国(日本以外) > 日本国内」の順に、高くなると言われています。

リスク・期待リターン
資産※ 株式 バランス(複合)型 債券
地域 新興国 先進国(日本以外) 日本国内

※不動産や金など本表に当てはまらない資産もあります。

つみたてNISAでは、積立投資による時間分散やドルコスト平均法の効果で、一括購入するよりもリスクの低減が期待できます。「1-2.対象ファンドのアセットクラス別平均利回り」も参考に、自分が目標とする運用成果や許容できるリスクを踏まえてアセットクラスを選択すると良いでしょう。

2-1-3.手数料

3点目は、手数料です。つみたてNISAでは購入時手数料はゼロ(ノーロード)ですが、保有している間に差し引かれる信託報酬は必要です。またファンドによっては、解約・換金時の手数料(信託財産留保額)が必要な場合もあります。

最長20年間という長期間の投資になるつみたてNISAでは、この手数料の水準が運用成果に大きな影響を与えますので、しっかりと比較することが重要です。もちろん手数料が低いほど有利になりますので、よく確認しましょう。

2-2.ファンドの途中変更や複数ファンドの組み合わせについて

つみたてNISAのファンドを選ぶとき、よくご質問いただくのが「ファンドは途中で変更することができるのか」「複数ファンドを組み合わせたほうがいいのか」です。

2-2-1.ファンドの途中変更

つみたてNISAでは、積み立てるファンドを途中で変更することができますが、それまでに積み立てたファンドはそのままになります。積み立ててきたファンドを変更後のファンドに切り替えること(いわゆるスイッチング)はできませんのでご注意ください。

どうしても積み立てたファンドを別のファンドに変更したい場合は、一度時価で換金し、別のファンドを新たに購入する必要があります。この場合、つみたてNISAの年間非課税投資枠40万円を消費することになり、新たに積み立てられる金額が減少してしまいます。

積み立てたファンドは、保有している限り複利による運用が続きます。利益確定など特別な目的がなければ、非課税期間を最大限活用するためにも換金せず保有し続けることも検討してください。

2-2-2.複数ファンドの組み合わせ

つみたてNISAでは、複数のファンドを組み合わせて積み立てることもできますが、分散投資を目的としたポートフォリオ(金融資産の組み合わせと比率)の構築が目的の場合は注意が必要です。つみたてNISAでは、リバランス(資産の再配分)が難しいためです。

例えば「日本株50%:新興国株50%」の割合でポートフォリオ組もうと「日本株ファンドを毎月1万円、新興国株ファンドを毎月1万円」積み立てていくと、それぞれ値動きが違うため評価額が「日本株ファンド55万円:新興国株ファンド45万円」のように割合が変わってきてしまいます。このため、当初のポートフォリオを維持するためには、日本株ファンド5万円分を新興国株ファンドに振り替え、リバランスする必要があります。

しかし、前項のようにつみたてNISAでは積み立てたファンドを変更する場合は、一度換金し、年間非課税投資枠40万円を消費して新たにファンドを買い直す必要があります。上記のように調整金額が5万円程度であればできますが、40万円を超える調整が必要となった場合には、リバランスができなくなってしまうのです。

そのため、つみたてNISAで分散投資を行いたい場合は、複数ファンドを組み合わせる以外に、複数の資産を組み合わせて運用するバランス型のファンドや、先進国や新興国を含む株式で構成される指標(MSCI ACWI Indexなど)をベンチマークとするインデックス型ファンドも検討するといいでしょう。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。まとめると以下の通りです。

  • つみたてNISAの平均利回りはアセットクラスによって異なり、過去のデータから算出した平均利回りは1.43%~3.84%。(将来の利回りを約束するものではありません)
  • つみたてNISAのファンドを選ぶ際は、「運用手法」「アセットクラス」「手数料」を確認する。
  • つみたてNISAでは積み立てたファンドを違うファンドに変更する場合、一度換金して非課税投資枠を消費し買い直す必要があるため、分散投資が目的の場合は複数ファンドを組み合わせる以外に、バランス型など1つのファンドで分散投資できるファンドも検討する。

つみたてNISAは、あくまで投資であるため預金とは異なり投資元本を下回るリスクもありますが、「積立投資による時間分散」と「非課税効果」を同時に活用でき魅力的な制度でもあります。まだ始めていらっしゃらない方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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