2025.12.8 更新
暮らし
住宅は賃貸か購入のどちらがお得?シミュレーションから見る判断のポイント
「賃貸住宅に住み続ける場合」と「マイホームを購入する場合」、最終的にどちらが住居費を抑えられるのでしょうか。結論から言えば、ライフプランや個人の状況によって結果が異なるため、さまざまな角度からしっかり検証することが重要です。 この記事では、賃貸住宅と住宅購入の住居費を具体的にシミュレーションし、それぞれのメリット・デメリットや判断基準をご紹介します。
1. 賃貸住宅と住宅購入の住居費をシミュレーション
まずは、賃貸住宅と住宅購入の住居費をどのように比較するべきなのか、具体例としてそれぞれに「50年間」住んだ場合のシミュレーションをしてみましょう。
1-1.賃貸住宅のケース
賃貸住宅のシミュレーションは、以下の条件で行います。
シミュレーション条件
・家賃:10万円 ・共益費:1万円 ・初期費用:家賃5カ月分 ・火災保険:2年契約/2万円 ・更新料:2年に1度/家賃1カ月分
※初期費用:敷金、礼金、前家賃、仲介手数料など
上記の条件で計算をすると、50年間住み続けた場合の住居費は以下のようになります。
50年間住み続けた場合のトータルコスト
・賃料の総額(共益費込み):6,600万円 ・初期費用:50万円 ・火災保険料総額:50万円 ・更新料総額:240万円 ・50年間の総住居費:6,940万円
賃貸物件の場合は、「途中で気軽に住み替えができる」という特徴があります。例えば、20年後に子どもが独立し、夫婦2人だけになった際、よりコンパクトな住居へ引っ越すケースを想定してシミュレーションしてみましょう。 次は、以下の条件でシミュレーションを行います。
シミュレーション条件
■1件目(最初の20年間) ・家賃:10万円 ・共益費:1万円 ・初期費用:家賃5カ月分 ・火災保険:2年契約/2万円 ・更新料:2年に1度/家賃1カ月分 ■2件目(残りの30年間) ・家賃:6万円 ・共益費:5,000円 ・初期費用:家賃5カ月分 ・火災保険:2年契約/2万円 ・更新料:2年に1度/家賃1カ月分
この条件でシミュレーションをすると、50年間のトータルコストは次のように計算できます。
50年間のトータルコスト
■1件目(最初の20年間) ・賃料総額(共益費込み):2,640万円 ・初期費用:50万円 ・火災保険料総額:20万円 ・更新料総額:90万円 ・総住居費:2,800万円 ■2件目(残りの30年間) ・賃料総額(共益費込み):2,340万円 ・初期費用:30万円 ・火災保険料総額:30万円 ・更新料総額:84万円 ・総住居費:2,484万円 50年間の総住居費:5,284万円
このように、ライフプランや住み替え条件によって、トータルコストも大きな違いが生まれます。ご自身やご家族の状況を踏まえ、できるだけ精度の高いシミュレーションを行うことが重要です。
1-2.住宅購入のケース
次に、ちばぎんの「新規借入シミュレーション(返済額試算)」を使い、以下の条件で住宅購入の場合の総住居費をシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション条件
・住宅価格:3,000万円 ・住宅ローン金利:全期間固定金利/1.94% ・返済条件:35年/元利均等返済 ・頭金なし ・諸費用:物件価格の6% ・火災保険:5年契約/15万円 ・固定資産税・都市計画税:毎年平均10万円 ・修繕費:500万円 ・住宅ローン減税:新築省エネ基準適合住宅/年収500万円/扶養家族1人で計算
住宅ローン金利については、2025年4月時点における「フラット35」の金利を参考に設定しています。また、諸費用や維持費については一戸建ての平均的な相場を参考にしています。 なお、マンションの場合は管理費や修繕積立金も考慮する必要があるので注意しましょう。上記の条件で計算を行うと、50年間居住した場合のトータルコストは次のようになります。
50年間居住した場合のトータルコスト
・住宅ローン返済総額:4,135万 ・諸費用:180万円 ・火災保険料総額:150万円 ・固定資産税・都市計画税:500万円 ・修繕費:500万円 ・住宅ローン控除:-232万円 総住居費:5,233万円
上記のように、今回のシミュレーションでは持ち家の方が総住居費は安くなることが分かりました。ただし、当然ながら結果は家賃や購入価格などの設定によって大きく変わるため、ご自身の状況に合った条件を見極めることが重要です。
2. 賃貸住宅のメリット・デメリット
賃貸住宅と住宅購入のどちらが適しているのか判断するには、両方の特徴を丁寧に比較することが重要です。ここでは、賃貸住宅のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
2-1. 賃貸住宅のメリット
賃貸住宅のメリットとしては、次の点が挙げられます。
賃貸住宅のメリット
■必要に応じて、住み替えがしやすい ■住宅ローンの返済を気にせずに済む ■住宅のメンテナンス費用がかからない
賃貸住宅は比較的に手軽に住み替えられるため、「急な転勤」や「子どもの進学」、「両親の介護」といったライフステージの変化に応じて、適した住まいを柔軟に選ぶことができるメリットがあります。さらに、住宅ローンの返済に縛られることがないため、借入による利息の負担を考える必要がありません。 また、賃貸住宅はメンテナンス費用を負担する必要が基本的にないため、維持費の積み立てを行わずに済むのも利点です。
2-2. 賃貸住宅のデメリット
続いて、賃貸住宅のデメリットも見ていきましょう。
賃貸住宅のデメリット
■住宅を借り続ける限り、家賃が発生する ■間取りや住宅設備などを自由に変更できない ■高齢になると住まい探しに苦労する場合がある
賃貸住宅では、入居を続ける限り永続的に家賃が発生するため、物件によっては最終的な総費用が住宅を購入した場合と比べて高くなる可能性があります。また、間取りや住宅設備を自由に変更することが基本的にできないため、自分のこだわりを反映した住まいを実現しにくいのも難点です。 さらに、特に懸念されるデメリットとして、高齢者になってからのリスクが挙げられます。高齢になると、健康や収入面などが理由で、入居審査を通らないケースが増える可能性があり、その結果、住まい探しが難航する場合もあります。 ただし、近年では住宅セーフティネット法をはじめとする法改正により、高齢者の居住を支援する制度が整備されつつあります。
3.住宅を購入するメリット・デメリット
続いて、住宅を購入するメリット・デメリットを見ていきましょう。
3-1. 住宅を購入するメリット
住宅を購入するメリットとしては、次の点が挙げられます。
住宅を購入するメリット
■土地や建物を資産として所有できる ■住宅ローンを完済した後は住居費を抑えられる ■自由にリフォームやリノベーションが行える
住宅ローンの返済が終了すれば、土地や建物を自身の資産として所有できる点が、住宅購入の大きなメリットです。建物は経年劣化により価値が低下する可能性はあるものの、土地の資産価値は維持される場合が多く、家族に資産を残す有効な手段となるでしょう。 また、住宅ローンの完済後は、住居費を大幅に抑えられるため、老後の資金計画を立てやすくなるのもメリットです。特に定年を迎えるまでに完済できれば、返済に充てていたお金を老後資金に回すことができ、老後の資金計画を立てやすくなります。 さらに、リフォームやリノベーションの自由度が高いのも、住宅を購入する大きなメリットです。ライフステージや家族構成の変化に合わせて、間取りや内装を変更できるため、使い勝手のよい生活空間を実現しやすくなります。
3-2. 住宅を購入するデメリット
一方、住宅を購入するデメリットには次のような点が挙げられます。
住宅を購入するデメリット
■長期間にわたって住宅ローンの返済が続く ■気軽に住み替えができない ■修繕費用や固定資産税などのランニングコストがかかる
住宅の購入には、多くの方が住宅ローンの利用を検討すると思います。住宅ローンは長期にわたる返済が一般的であり、将来の収入や生活の変化を見据えて、無理のない返済計画を立てることが重要です。 また、持ち家では住宅ローンの返済と並行して、維持費や修繕費、固定資産税などのランニングコストも捻出する必要があります。将来的に住み替えを行う場合は、大幅な損失を防ぐためにも購入した物件の価値をよく見定めてください。 賃貸物件と異なり、持ち家では気軽に住み替えを行うことが難しいため、立地や条件選びにはより慎重な判断が求められるでしょう。
4. 賃貸住宅か住宅購入かを判断する4つのポイント
賃貸住宅と住宅購入のどちらがよいかを考える第一歩として、まずはシンプルな判断基準をもとに比較してみるのがおすすめです。ここでは、賃貸か購入かを判断するポイントとして、4つの基本的な観点について解説します。
4-1.金銭面に関する負担
これまで見てきたように、賃貸住宅は基本的に家賃と共益費、保険料、更新料の支払いが金銭的な負担となります。一方、住宅を購入する場合は、住宅ローンの返済・修繕費用・固定資産税などがかかってくるため、各費用の内容や目安を正確に把握する必要があります。 今回ご紹介したシミュレーションのように、生涯で発生するトータルコストを考えた上で、どちらがお得になるのかを具体的に試算してみましょう。
4-2.暮らしやすさ
住まいのグレードや設備などは選ぶ物件によって異なりますが、基本的には持ち家の方が自由に選択できます。間取りや内装、住宅設備の選択肢が増えることで、自由度を感じやすくなるはずです。 一方、賃貸住宅の場合は、ライフステージの変化に応じて住み替えがしやすいという利点があります。「転勤」「子どもの成長」「介護」など、状況に応じて立地や間取りなどを柔軟に変更できるため、賃貸住宅の方が住みやすいと感じる方もいるでしょう。
4-3.不動産としての資産性
持ち家の場合は、住宅ローンを完済すれば、その不動産はご自身の資産として保有することができます。一方、賃貸住宅はどれだけ家賃を払い続けても資産になるわけではありません。 ただし、持ち家の場合は万が一の災害リスクなどに備えて、保険に加入する必要があります。他にも、修繕費や税金といった資産を保有するためのコストがかかるため、メリットとデメリットの両面を丁寧に比較する必要があります。
4-4.老後の生活
賃貸住宅の場合は、高齢になると入居審査のハードルが高くなる可能性があります。また、定年後の家賃支出が大きな負担になる場合もあるため、老後に備えた貯蓄や住み替えなどの計画が重要です。 一方、持ち家の場合は、住宅ローン返済が終わっていれば住居費の支出を抑えることができるため、老後の生活設計は立てやすいといえます。ただし、完済後に大規模なリフォームが必要になる場合もあるため、修繕費のための貯蓄は計画的に行いましょう。 また、家族に相続することを考える場合、土地選びは慎重に行いたいところです。将来的な資産価値を保つために、再開発の予定や人口の動きなども総合的に見ていくことが大切です。
5.賃貸住宅が向いている人・住宅の購入が向いている人
今回ご紹介したように、賃貸と購入のどちらがよいかは、家族構成やライフスタイルによって異なります。そのため、判断基準を明確にした上で、どちらが適しているかを自分自身で見極めていくことが重要です。 最後に、賃貸住宅が向いている人、住宅の購入が向いている人の特徴を確認しておきましょう。
賃貸住宅が向いている人
・転勤などで居住地が変わる可能性がある ・収入が安定していない ・今後、結婚や転職の可能性がある ・住宅のメンテナンスなどの管理が面倒 ・さまざまな土地での暮らしを楽しみたい
住宅の購入が向いている人
・資産として家や土地を残したい ・転勤・転職の可能性が低い ・収入が安定している ・ライフプランの変動が少ない ・老後の住まいの不安を避けたい ・内装や設備を自由に決めたい
賃貸住宅と住宅購入にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。ご自身のライフプランや価値観を考慮した上で、どちらが適しているかを慎重に検討することが大切です。 今回ご紹介したポイントを参考にしながら、ご自身に合った住まいの選択肢を見つけてください。
6.賃貸住宅・住宅購入のどちらがよいかはライフプランに合わせて考えよう
賃貸住宅のメリットは手軽に引っ越しができる点や、管理の負担が少ない点にあります。一方、住宅購入は住まいの自由度が高い点や、老後の住まいの不安が軽減されるといった点がメリットです。 どちらにもメリット・デメリットがあるため、最終的にどちらがよいかを考える上では、ご自身のライフプランや価値観を踏まえて検討しなければなりません。「ちばの住まいコンシェルジュ」では、住宅ローンや住宅購入資金のアドバイス、細かなライフプランシミュレーションの作成など、お金に関するさまざまな相談を受け付けています。 ご自身に合った住まいの計画を立てる第一歩としてぜひご活用ください。
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