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2025.9.30 更新
お金
教育ローンとは?奨学金との違いやメリット・デメリット、契約前に確認すべきポイントを紹介
教育ローンとは、子どもの教育に必要な資金を借りられるローン商品です。 子どもの教育には、学費や塾の月謝などさまざまな費用がかかるため、全てを自己資金で賄うのは難しい場合もあるかもしれません。そんなときは、教育ローンの利用を検討しましょう。 ただし、教育ローンにはメリットとデメリットがあるため、概要を把握したうえで利用を検討することが大切です。 本記事では、教育ローンの概要や奨学金との違い、メリット・デメリット、契約前に確認すべきポイントを紹介します。
教育ローン(学資ローン)とは
「教育ローン」とは、子どもの教育に必要な資金を借りられるローン商品で、「学資ローン」とも呼ばれます。 教育ローンは、マイカーローンや住宅ローンなどと同様に「目的型ローン」の一種です。そのため、生活費や借金返済など教育以外の目的には使えませんが、学費のほか、入学金や教材費など、教育に関連する幅広い用途で利用できます。 文部科学省によると、子どもの教育費(保護者が子どもの学校教育および学校外活動のために支出した経費の総額)は、幼稚園から高等学校卒業までに平均で約600~2,000万円かかるとされています。 以下は、幼稚園から高等学校卒業までにかかる、子どもの教育費の平均額を示したグラフです。
※出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」
さらに、大学に進学する場合は、高校進学と同様、入学金や授業料などの支払いが重なるため、まとまったお金が必要です。一般的に、大学進学時の入学金や授業料は、高等学校よりも高く設定されており、加えて1人暮らしなどで自宅外から通学する場合は、より多くの費用がかかります。 子どもの教育には多くの費用がかかるため、家計の負担が大きくなり必要な資金が不足することがあります。そうした場面で教育ローンを活用すれば、資金の一時的な不足を補い、計画的に支出を管理しやすくなります。 なお、子どもだけではなくご自身の学び直しに利用できる教育ローンもあります。
「国」と「民間金融機関」の教育ローンの違い
教育ローンには、民間金融機関が提供する商品以外に、「国の教育ローン」があります。 国の教育ローンは「日本政策金融公庫」が取り扱っており、進学に関する家庭の経済的負担軽減と、教育機会均等への貢献を図る目的で提供されています。 国の教育ローンと金融機関の教育ローンの主な違いは、以下の通りです。
国の教育ローンと金融機関の教育ローンでは、特に、「申込条件」が異なります。 国の教育ローンは、子どもの人数によって申込みできる世帯年収の上限が決まっています。例えば、子どもが1人の世帯では、原則として世帯年収790万円以下の方が申込み対象です(※1)。そのため、世帯年収の高い家庭では国の教育ローンを利用できないことがあります。 一方、金融機関の教育ローンは、各金融機関が定める条件を満たしていれば誰でも利用できます。
「奨学金」と「民間金融機関」の教育ローンの違い
子どもの教育に関連する資金調達手段には、奨学金制度の利用もあります。奨学金と金融機関の教育ローンの主な違いは、以下の通りです。
奨学金と金融機関の教育ローンの大きな違いは、「契約者」です。奨学金は学生本人が契約して卒業後に返済しますが、教育ローンは保護者が契約者となるため、返済も保護者が行います。 なお、奨学金は、世帯収入と学業の成績によって給付型を選択できる場合があります。給付型の奨学金は返済する必要がありません。
教育ローンを利用するメリット
子どもの教育費として教育ローンを利用する主なメリットは、以下の通りです。
- ・いつでも申込みできる
- ・教育に関する幅広い用途で利用できる
- ・子どもに返済義務を負わせずに済む
- ・一度にまとまった資金を準備できる
それぞれ解説します。
いつでも申込みできる
教育ローンは、奨学金のように申込期間が決まっていないため、必要に応じていつでも利用を検討できます。WEB申込みに対応している場合は、24時間いつでもインターネットで手続きできるため、申込みの時間帯を気にする必要がありません。 ただし、申込みから借入れまでには、ある程度の期間が必要です。例えば、国の教育ローンの場合、申込みから口座への振り込みまでには20日前後かかります。 実際に借入れがスタートする時期は金融機関によって異なりますが、教育ローンを利用する際は、ある程度、期間に余裕を持って申込みましょう。
教育に関する幅広い用途で利用できる
教育ローンは、以下のように教育に関する幅広い用途で利用できます。
- ・受験費用
- ・入学時の諸費用
- ・授業料・教材費
- ・修学旅行費用
- ・塾・予備校の費用
- ・子どもへの仕送り
利用用途の範囲は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
子どもに返済義務を負わせずに済む
奨学金(貸与型)の場合、返済義務を負うのは「学生本人(子ども)」と決められているため、卒業後、子どもに返済の負担がかかります。 一方、教育ローンであれば、保護者が返済を担うことで子どもに負担をかけずに済みます。「子どもに学費の心配をさせたくない」と考える保護者にとって、教育ローンは子どもに経済的な負担をかけずに進学を支援できる計画的な選択肢の一つです。
一度にまとまった資金を準備できる
教育ローンは、進学に必要な資金を「一括で借りる」または「分割で借りる」など、目的や計画に合わせて柔軟に利用できる点が特長です。実際に借入れできる金額は審査によって決まりますが、数百~数千万円規模まで対応しているケースもあります。 学費に加え、入寮費・教材費・引越し費用・敷金・礼金など、入学前に発生するさまざまな初期費用に対応できるため、まとまった資金が求められる時期でも安心です。 進学後に分割で支給される奨学金とは異なり、必要な時期にまとまった金額を確保できるため、無理なく計画的に進学の準備を進めることができます。
教育ローンを利用するデメリット
教育ローンにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。教育ローンを利用する際には、デメリットも把握したうえで申込みを検討しましょう。
奨学金に比べて金利が高い
一般的に、教育ローンは奨学金(貸与型)に比べて金利が高く設定されている場合が多く、支払総額が大きくなる傾向があります。 奨学金の場合は、利息が付かない第一種奨学金のほか、貸与が終了するまでは無利息の第二種奨学金もあり、低金利かつ負担の少ない返済計画が可能です。 対して教育ローンは、借入れ直後から利息が発生し、在学期間中に返済が始まる商品があります。ただし、負担を軽減する方法として、在学期間中は元本を据え置き、利息のみを支払うという形式を選択できる場合もあります。 そのため、学費の必要な時期に応じて、金利・返済のタイミング・支払総額などをよく比較し、最適な方法を検討することが大切です。
一定の収入がなければ借入れできない
教育ローンを利用するためには、大前提として安定した収入があることが条件です。そのため、一定額以上の借入れを希望する際は、基本的に、収入証明書類の提出を求められます。 なお、収入がある場合も、必ず審査に通過できるわけではありません。審査基準は公表されておらず、金融機関によって異なりますが、年収・勤務先・勤続年数などの申告内容をもとに総合的に判断するため、正確な情報を申告するように心がけましょう。
教育ローンを申し込む前に確認すべきポイント
教育ローンの内容は金融機関によって異なります。そのため、教育ローンを利用する際には、ご自身のニーズに合った教育ローンを選ぶことが大切です。以下では、教育ローンの申込み前に確認すべきポイントを紹介します。
申込条件
教育ローンを利用するには、各金融機関が定める条件を満たす必要があります。条件は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。 例えば、住んでいる地域が限定されていたり、勤続年数が何年以上と決められていたりするケースもあります。 事前に条件を確認せずに申し込むと、手続きにかかる時間や労力が無駄になってしまう可能性があるため、利用条件や必要書類をあらかじめ確認しておきましょう。
融資金額・金利
教育ローンを利用する際は、ご自身が必要とする金額を借入れできるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。 「教育ローンで融資を受けたのに資金が足りなかった」という事態が起きないよう、必要な金額を事前に見積もり、利用する金融機関の最大融資額を確認したうえで申込みましょう。 なお、金融機関によっては、仮審査が可能なケースがあります。事前に必要な金額を借りられるか把握できるため、おすすめです。ただし、仮審査は最低限の情報をもとに審査されるため、本審査で借入額が減額される可能性がある点は把握しておきましょう。 また、金利の利率や、種類(変動金利・固定金利)の確認も大切です。利息は支払総額に大きく影響するため、事前に確認・シミュレーションしておくことをおすすめします。
借入方法
教育ローンを利用する際は、借入方法の事前確認も重要なポイントです。教育ローンは一括で借りる以外に、その都度必要なタイミングで借りられる「当座貸越タイプ」があります。 当座貸越タイプの教育ローンであれば、急な支出に対応できるだけでなく、必要最低限の借入れで済むため、利息を抑えられる可能性があります。
利用目的の範囲
教育ローンは、教育に関連する幅広い用途で利用できますが、具体的な利用範囲は金融機関によって異なります。 教育ローンを利用してお金を借りても、使えなければ意味がないため、事前に利用目的の範囲を確認しておきましょう。 例えば、進学を機に子どもが1人暮らしする場合は、賃貸物件の敷金・礼金などの支払いにも使える教育ローンがおすすめです。 公式サイトや商品のパンフレットなどを確認してもわからない場合は、金融機関に直接問い合わせるのもよいでしょう。
教育ローンを申し込むときの流れ
教育ローンを利用してスムーズにお金を借りるためには、申込みから借入れまでの流れを理解しておくことが大切です。 申込みの流れは金融機関によって異なりますが、一例として、千葉銀行の教育ローンをWEBで申し込む場合を紹介します。
千葉銀行の教育ローンは、WEBでのお申込みであれば、来店不要でお借入れまで完結します。手間がかからず、24時間いつでも手続きができるため、教育ローンを利用する際は、WEBでのお申込みをご検討ください。
まとめ
教育ローンは、教育に関する幅広い資金に利用できるローンです。民間の金融機関のほかに、日本政策金融公庫が取り扱っている教育ローンがあります。 教育ローンにはメリットとデメリットがあるため、特徴を把握したうえで利用を検討しましょう。 また、利用する際は、事前に申込条件や利用目的の範囲などを確認することも大切です。教育ローンを有効活用するためにも、本記事で紹介した確認すべきポイントをしっかり把握しておきましょう。
教育ローンは柔軟にお借入れできる千葉銀行にご相談を!
千葉銀行の教育ローンは、WEBでのお申込みに対応しているため、来店不要で24時間いつでも手続きが可能です(※1)。 資金使途は、部活動の道具・遠征費から仕送りまで幅広く、さまざまな教育関連の費用にご活用いただけます。借入れ金額は最大3,000万円(※2)で、貸出期間は最長16年6ヶ月のため、高額な学費をカバーし、計画的なご返済が可能です。在学期間中は元金の返済が据え置かれるため、家計への負担が抑えられます。 なお、千葉銀行の教育ローンには、必要な資金を一括で借入れる「一括お借入れタイプ(証書貸付方式)」とあらかじめ設定した限度額の範囲内で必要なときに借りられる「都度お借入れタイプ(当座貸越・証書貸付併用方式)」の2種類があります。 「どのくらいのお金が必要になるかわからない」「急な出費が心配」という方は、都度お借入れタイプであれば必要なタイミングで資金を柔軟に確保できるため、安心してご利用いただけます。 教育ローンの利用をご検討中の方で、対象地域※3の教育機関に入学予定・在学中の場合や、該当の地域(※3)に住んでいる場合は、ぜひ千葉銀行にご相談ください(※4)。
※1 システムメンテナンス時を除く ※2 1契約あたり上限2,000万円(複数契約可) ※3 千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県 ※4 一部サービスのご利用には、所定の条件や審査がございます。詳細は千葉銀行公式サイトをご確認ください。
寄稿者プロフィール
新井 智美(あらい ともみ)
ファイナンシャルプランナー
2006年11月卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。これまでの執筆・監修実績は3,000本以上。