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2025.11.14 更新
お金
子どもの銀行口座開設は何歳からできる?必要書類からメリット・デメリットまで解説
銀行口座は、貯蓄や支払いなど、日々の暮らしのさまざまな場面で使われます。多くの方がご自身の銀行口座をお持ちですが、お子さまがいらっしゃる方の中には、「何歳から銀行で口座を開設できるのだろう」と疑問に思う方もいるでしょう。 本記事では、子どもの銀行口座の開設について、必要書類やメリット・デメリット、開設のポイントをわかりやすく解説します。
銀行口座は0歳から開設できる!
銀行口座の開設は、原則として「何歳から」という年齢制限はなく、0歳から開設できます。 そのため、子どもが生まれたときや、小学校・中学校に進学したときなど、家族のライフステージに合わせて口座を開設できます。 ただし、口座開設の手続きは、子どもの年齢や小学生・中学生などの属性によって異なります。 以下では、子ども名義の口座を開設する手続きについて、二つのケースに分けて解説します。
子どもが一定の年齢・条件に達していない場合:親権者が申し込む
子どもが一定の年齢・条件に達していない場合は、親権者が代理で手続きを行うケースが一般的です。 例えば、子どもが15歳未満の場合や中学生以下の場合などは、必要な書類を親権者が準備し、口座開設を代理で申し込みます。 なお、親権者が代理で手続きできる条件は「12歳未満」や「中学生以下」など、各銀行によって異なります。親権者が代理で申し込む際は、各銀行の公式サイトや窓口で事前に確認しておきましょう。
子どもが一定の年齢・条件に達している場合:本人が申し込める
子どもが15歳以上(中学生を除く)など、銀行が定める条件に達している場合は、原則として子ども本人が口座開設の手続きを行います。 ただし、全てのケースで子ども本人が口座開設できるとは限りません。例えば、未成年者で銀行への来店が難しい場合や、15歳以上18歳未満(中学生を除く)の場合などは、銀行によっては親権者が代理で手続きできることもあります。 取り扱いは各銀行で異なるため、事前の確認が必要です。
子ども名義で銀行口座を開設する際の必要書類
銀行口座を開設するためには、本人確認書類をはじめ、提出書類の準備が必要です。 ただし、子ども名義の銀行口座開設では、「親権者が代理で申し込む場合」と「子ども本人が申し込む場合」で準備する書類が異なります。 口座を開設する状況に合わせて、必要な書類を準備しましょう。
親権者が代理で申し込む場合
親権者が代理で申し込む際は、子どもの本人確認書類だけでなく、親権者の本人確認書類も必要です。主な必要書類は以下の通りです。 ● 子どもの本人確認書類(マイナンバーカードなど) ● 親権者の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など) ● 印鑑(印鑑レス口座の場合は不要) 現在の住所と本人確認書類の住所が異なる場合、口座開設のお申込みはできません。転勤や引っ越しなどで住所が変わった場合は、市区町村の窓口で事前に住所変更の手続きが必要です。 また、顔写真のない公的書類で本人確認を行う場合は、追加でそのほかの公的書類の提出が求められることがあります。 なお、上記以外に親子であることを確認できる書類(住民票の写し・母子健康手帳など)が必要な場合もあります。
子ども本人が申し込む場合
子ども本人による口座開設のお申込みは、成人とほぼ同じ流れで行われます。以下の必要書類を準備し、口座開設の手続きを進めましょう。 ● 子どもの本人確認書類(マイナンバーカードなど) ● 印鑑(印鑑レス口座の場合は不要)
なお、インターネットを利用した口座開設では、多くの場合、本人確認書類はマイナンバーカードや運転免許証に限られます。子ども本人がマイナンバーカードや運転免許証を持っていない場合は、銀行の窓口で口座の開設を申し込みましょう。
子どもの銀行口座を開設する際の流れ
子どもの銀行口座は主に六つのステップを踏んで開設します。具体的な流れは以下の通りです。 ① 口座を開設する銀行を選ぶ ② 必要書類を準備する ③ 口座開設のお申込みと手続きを行う ④ 審査が行われる ⑤ 銀行の手続き終了後、口座開設が完了する ⑥ キャッシュカードなどを受け取る 口座を開設する銀行は、「利用しやすさ」や「手数料」などを考慮して選ぶと良いでしょう。 例えば、自宅や学校の近くに店舗やATMがあると、口座の開設や現金の引き出しに便利です。また、振り込みの手間や手数料を減らすため、親権者と同じ銀行を選ぶと、資金の管理がしやすくなります。 開設する銀行が決まったら、代理手続きか本人によるお申込みかに応じて、必要な書類を準備します。 口座開設のお申込み方法は、「店舗での手続き」と「インターネットでの手続き」の2種類があります。ただし、インターネットでのお申込みは、15歳以上などの年齢制限や限られた本人確認書類が必要となるケースが多いです。 必要書類を提出し、銀行での審査と手続きが完了すると、口座が開設されます。その後、キャッシュカードを受け取ります。キャッシュカードは、通常、簡易書留郵便などで開設時に登録した住所へ送付されます。簡易書留郵便は手渡しでの受け取りとなるため、不在で受け取れなかったときは、郵便局や銀行に問い合わせましょう。
子ども名義の銀行口座を開設するメリット
子ども名義の銀行口座を開設すると、複数のメリットが得られます。代表的なメリットは以下の通りです。 ● 子どもの教育資金を計画的に貯蓄できる ● 学資保険と比較して柔軟にお金を引き出せる ● 子どもの金融リテラシー育成につながる 各メリットの詳しい内容を解説します。
子どもの教育資金を計画的に貯蓄できる
以下は、幼稚園から高等学校卒業までにかかる、子どもの教育費の平均額を示したグラフです。
文部科学省の調査によると、子どもの教育費(保護者が子どもの学校教育および学校外活動のために支出した経費の総額)は、幼稚園から高等学校卒業までに平均で約600~2,000万円が必要とされています※。そのため、将来の支出を見据えた計画的な貯蓄が必要です。 毎月一定額を教育費として積み立てていくことで、将来に備えやすくなります。自動振り込みサービスを利用すれば、毎回の手続きの手間も省けます。 教育費をほかの生活費と区別して管理すると、貯蓄の進捗が分かりやすくなり、計画的に教育資金を積み立てやすくなります。
学資保険と比較して柔軟にお金を引き出せる
学資保険とは、子どもの教育費を積み立てるための貯蓄型の保険です。計画的に教育資金を準備できるというメリットがある反面、自由に引き出すことができなかったり、途中で解約すると返戻金が少なくなったりなどの注意点もあります。 一方、銀行の普通預金口座は、お金の出し入れが自由にできるため、必要なときにすぐ資金を用意できるのが大きなメリットです。例えば、塾・習い事・部活などで急にお金が必要になっても、柔軟に対応できます。
子どもの金融リテラシー育成につながる
子ども名義の銀行口座を開設すると、子どもは「貯まったお小遣いを入金する」「必要なお金を引き出す」などの実践を通して「自身のお金を管理する」ことへの意識が芽生えます。 将来役立つ家計管理力を身につけられるほか、お金のトラブルを避けるためにも、子ども自身の銀行口座を活用した金融リテラシーの育成は重要です。 また、銀行口座の使い方や手数料の目安、キャッシュカードなどの管理を学べる点もメリットです。
子ども名義の銀行口座を開設するデメリット
子ども名義の銀行口座を開設し、教育費や子どものお金を分けて管理する方法には、いくつかのデメリットがあります。主なデメリットは以下の通りです。 ● 子どもが成年に達すると親権者の利用に制限がかかる ● 利用しないと休眠預金になる場合がある ● 贈与税が課される場合がある それぞれのデメリットの内容を解説します。
子どもが成年に達すると親権者の利用に制限がかかる
子どもが未成年の間は、必要な手続きを行えば、親権者が子ども名義の口座を管理・利用することができます。 しかし、口座の利用は本来、名義人本人が行うことが原則とされています。子どもが成年に達すると、子どものためであっても、学費や生活費の引き出しなどの目的で親権者が代わりに口座を使うことを制限される場合があります。 成年後は原則、本人による管理が求められるため、あらかじめお金の使い方や、銀行口座の扱いについて伝えておくことで、子どもが自立した後も安心して利用を任せられます。
利用しないと休眠預金になる場合がある
休眠預金とは、10年以上にわたって入出金などの取引が行われていない預金を指します。 休眠預金と見なされると、預けられたお金は公益的な活動(子ども・若者・生活困難者への支援など)に活用されます。 休眠預金となった場合でも、所定の手続きを行えば預金の払い戻しを受けることができますが、子どもが小さいうちに口座を開設し、その後利用しない期間が長く続くと、休眠預金と見なされる可能性があります。そのため、定期的な入出金や残高の確認などを行い、口座をきちんと管理しておきましょう。
贈与税が課される場合がある
親権者が子ども名義で銀行口座を開設しても「名義預金(実際のお金の所有者と名義が異なる預金)」と見なされると、贈与税が課されるケースがあります。 「子どもがある程度成長してからキャッシュカードや通帳を本人に渡す」「渡す金額は贈与税の基礎控除額である年間110万円以内に抑える」などの対処が必要です。
子ども名義の銀行口座を作る際のポイント
銀行や口座にはいくつかの種類があり、「どのような基準で選べばよいか」と迷ってしまうケースも少なくありません。以下では、子ども名義の銀行口座を作る際に押さえておきたいポイントを解説します。
口座開設の目的を明確にする
子どもの銀行口座を開設する際は、「どのような目的で口座を作るか」という点を明確にすると、適切な口座選びにつながります。 例えば、子どものお小遣い・お年玉を貯める場合や、子どもにお金の大切さを教える機会にしたい場合は、お金を出し入れしやすい普通預金が適しています。 そのほか、将来の教育資金を貯める場合は、定期預金や積立預金などが有効な選択肢です。
利用しやすい銀行を選ぶ
自身の生活圏に多くの店舗やATMがあるなど、日常的な利用しやすさも大切なポイントです。 開設当初は子どもと一緒に管理し、将来は子ども自身が口座を管理する際にも、生活圏に銀行の店舗やATMがあると便利です。 将来的に子どもへ送金する、または定期的に自身の口座から子ども名義の口座に積み立てるケースでは、振込手数料を確認しましょう。同じ銀行間であれば、振り込み方法によって手数料が無料になる場合があり、手数料の節約につながります。
まとめ
銀行口座の開設は、年齢に制限が設けられておらず、原則として0歳から可能です。 開設方法は、年齢や条件によって、子ども本人の手続きが必要なケースや親権者が代理で申し込むケースに分かれます。それぞれ必要な書類を準備して口座を開設しましょう。 子ども名義の銀行口座は、教育資金の準備や、子どもの金融リテラシー育成に役立ちます。学資保険と比較すると、必要なときに必要なお金を引き出せるメリットがあります。銀行や口座の種類で迷ったときは、口座開設の目的や利用しやすさを意識するとよいでしょう。 銀行口座は、店頭で申し込むほか、インターネットでも開設できる場合があります。子どもの将来に向けて、子ども名義の口座開設を検討してはいかがでしょうか。
子どもの口座を開設するなら千葉銀行で!
子どもの銀行口座を開設するなら、千葉銀行がおすすめです。千葉銀行は千葉県内の各地にATMを設置しており、子どもの教育費の引き出しや入金にも便利です。 店頭での口座開設のほか、WEBでの口座開設が可能です。平日のご来店が難しい方やお子さま連れでの外出が困難な方でも、いつでもどこでも簡単にお子さまの口座開設をお申し込みいただけます。(※1)。 また、千葉銀行の公式アプリ「ちばぎんアプリ」を活用すると、アプリで残高・明細の確認や引き落とし予定の照会が可能です。さらに、千葉銀行同士の口座間なら、振込手数料が無料のため、仕送りや送金にかかる手数料の節約にも役立ちます。 さらに、千葉銀行の口座は「ちばぎん ひまわり宣言」のお申込みで、取引が増えるほどに各種手数料が割引になる点もメリットです。三つのステージごとに嬉しい特典があり、子どもの成長とともに千葉銀行とのお取引が増えると、さまざまな割引を受けられます。 子ども名義での銀行口座開設をお考えの方は、ぜひ千葉銀行での開設をご検討ください(※2)。
※1 システムメンテナンス時を除きます。 ※2 一部サービスのご利用には、所定の条件や審査がございます。詳細は千葉銀行公式サイトをご確認ください。
寄稿者プロフィール
新井 智美(あらい ともみ)
ファイナンシャルプランナー。2006年11月卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。これまでの執筆・監修実績は3,000本以上。