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2025.8.27 更新
ちばぎん
生成AIを学んで提案!「第6回アイデアピッチコンテスト」開催レポート〜業務効率化や千葉経済圏の活性化を実現するアイデアが集結〜
「新たな技術を自ら学び、自分たちの手でより良いサービスをつくり出すために」 ちばぎんグループでは社内公募イベント「アイデアピッチコンテスト」を開催し、グループ全職員を対象に最新の学びと自由な発想の機会を提供しています。今回は、さまざまな業界で導入が進んでいる「生成AI」をテーマに2025年2月に開催した、第6回アイデアピッチコンテストの様子をレポートします。
生成AIへの挑戦を加速するために。職員自ら学び、アイデアを競い合う。
ちばぎんアプリやちばぎんビジネスポータル、メタバース空間の活用など、ちばぎんグループではお客さまに新たな「ちばぎん体験」をご提供するため、DX戦略を経営計画の中心に据えています。この戦略を加速させるため積極的に投資しているのが、DX人材の育成プログラムです。 その取り組みの一環として開催されているのが、2021年に開始した社内公募イベント「アイデアピッチコンテスト」です。ちばぎんアプリで定期的に実施している「お友だち紹介キャンペーン」も、このイベントがきっかけです。 このイベントは、若手からベテラン、キャリアアシスタントに至るまで、グループ全職員を対象に(※)、組織全体のデジタルリテラシーを高め、DXに挑戦する風土をつくるために始まったもの。過去5回の開催で358名の参加者から324件のアイデアが集まり、回を重ねるごとに熱意も提案内容もレベルアップしています。
※第5回よりグループ会社も対象としています。
アイデアピッチコンテストの過去の開催テーマ。参加した職員たちは、身近な出来事、業務上で感じたこと、お客さまからお聞きしたことをきっかけに発想し、具体的なビジネスアイデアを短時間で発表します。
2025年2月に開催された第6回アイデアピッチコンテストのテーマは、さまざまな業界で導入が進んでいる「生成AI」。今回は初の試みとして、全チームを異なる所属・会社のメンバーで編成し、基礎知識のない職員でも学びながら参加できるよう、事前に「生成AI入門研修(全3回)」を設けました。参加者はチームごとに講義やワークショップ、AIの専門家とのディスカッションを行い、アイデアを磨き上げてからコンテスト本番に臨みました。
参加チームは、2024年10月から約2カ月かけて「生成AI入門研修(全3回)」を受講し、さらに2カ月かけてプレゼン資料を準備。各グループにはそれぞれ外部メンターが付き、資料改善のアドバイスなども行いました。
「自分も提案してみたい」と集まった73名の応募者の中から、抽選で選ばれた30名が6チームに分かれ、米本頭取をはじめとする14名の審査員の前で各5分間のプレゼンテーションに挑みました。 審査基準は「①お客さま・従業員・株主などのステークホルダーとのエンゲージメント強化につながるアイデアか」「②実現の可能性・実効性はあるか」「③実現させたいアイデアか」の3項目で、各10点の30点満点で順位を競います。上位3チームには賞金が用意され、最優秀賞には賞金20万円とシンガポールの海外企業視察研修、優秀賞には賞金10万円、優良賞には賞金5万円が授与されました。
お客さまのため、千葉のため。生成AIを活用した受賞したアイデアとは?
コンテスト会場は300名を収容できる千葉銀行本店の大ホール。華やかなステージ演出は株式会社ベイエフエムが手がけ、司会はラジオ番組「BAYSIDE FREEWAY」の3代目DJ・奥宮みさとさんが担当しました。冒頭に淡路専務(CDTO)から「今回は事前研修をセットにした、これまでとは一線を画すコンテストです。役員たちも期待しているので思いっきりアピールしてほしい。」と応援メッセージが送られると、いよいよイベントがスタート。緊張した面持ちのチーム代表者が、順番にプレゼンテーションを行いました。 各チーム5名ずつのメンバーは、それぞれまったく異なる部署や営業店から集まった「はじめまして」の職員ばかり。年齢も立場も違いますが、「どうすればお客さまにより良いサービスをお届けできるか」という発想の原点は一緒でした。事前研修でお互いの絆も深まり、お客さまとの時間をもっと増やすためのAI活用法や、千葉経済圏をさらに活性化させるためのAIサービスなど、それぞれの想いがこもった実現性の高い提案が出揃いました。
全チームのプレゼンテーションが終わると、2024年12月にちばぎんグループに仲間入りしたAIアルゴリズム事業会社「エッジテクノロジー株式会社」の代表取締役社長 島田雄太氏が、「皆さんの提案を聞いて、まだまだやるべきことや、やれることがあると感じた。今後は今まで銀行では扱いづらかったさまざまなデータの活用がポイントになってくる。」とコメント。甲乙つけ難い提案に審査員たちは頭を悩ませながら、ついに上位3チームが決定しました。
●最優秀賞チーム「MIRIZE(ミライズ)」
タイトル:ちばまるごと応援プロジェクト 〜キャッシュレス加盟店を中心としたあなただけの千葉をナビゲーション
2019年から参入したキャッシュレス事業の更なる魅力化を目標に、地域加盟店をはじめとする千葉経済圏を活性化させる2つのアイデアを提案。1つ目は、旅行時にスタート地点や行きたい場所を対話型AIに伝えるだけで、加盟店の魅力を織り交ぜた観光プランをおすすめしてくれるナビゲーションサービス。2つ目は、加盟店を取り巻くさまざまなデータ分析により、最適なマーケティングプランを導き出すAIコンサルティングサービス。審査員からも積極的な質問があり、「加盟店さまへのサービス提供としてぜひ参考にしたい」と高評価を得ました。
(受賞コメント) 生成AIに関する知識がまったくない中で、初めて会うメンバーと一緒に研修を受け、いろいろな意見を交わしました。みんなの熱意を形にすることができ、楽しい時間を過ごすことができたと思います。今日この賞をいただけたのは職場の理解があってのこと。ありがとうございました。
●優秀賞チーム「Nexus(ネクサス)」
タイトル:AIひまりんと話そう! ~お客さま起点のコンサルティング提案のために〜
現在、マネーコンサルタントは1人あたり700人ものお客さまを抱えているが、窓口対応に7割もの時間が割かれており、お客さまへのご提案活動に十分な時間が確保できていない現状に着目。ちばぎんアプリに対話型AI「AIひまりん」を組み込むことで、窓口にお越しいただかなくても、さまざまなご相談・手続きが自動で行える仕組みをつくり、マネーコンサルタントの業務を年間10万時間効率化するアイデアを提案。これによってマネーコンサルタントは空いた時間をお客さまのために使うことができ、100万人のアプリユーザーに向けてはタイムリーで効率的なサービス提案が可能になる。審査員からは「アプリを活用しお客さまにさまざまなご提案ができる点」が好評でした。
(受賞コメント) さまざまな背景を持つメンバーで意見を突き合わせたからこそ、今回の受賞につながりました。アイデアピッチコンテストは普段の業務を離れ、銀行全体のことやお客さまへのサービスについて考える良い機会です。若手だけでなく中堅層や管理職の方にもご参加いただけたらなと思います。
●優良賞チーム「AI INF(エーアイインフィニティ)」
タイトル:~CRMにAIで新機能追加~ 音声入力とフロー可視化で業務を最適に
お客さま一人ひとりに最適なご提案をするためには、これまで以上にお客さまに対する時間を確保することが重要とし、CRM(※)拡張機能による業務効率化アイデアを提案。お客さまとの面談時に音声データから交渉履歴を自動で作成し、その交渉履歴に基づいて次に行うべき事務作業をAIが教えてくれる。入力や資料を探す手間を省くとともに事務作業の正確性を向上させ、年間で約15万6千時間を効率化できる。審査員からは「交渉履歴の音声入力は現実的」と評価されました。
※Customer Relationship Managementの略称。お客さまとの良好な関係を築くため、または促進するための戦略やツール・システムの総称を指す。
(受賞コメント) 素晴らしい賞をいただきありがとうございます。今回のコンテストはグループワークという初の試みでしたが、一人では気がつけないことでも5人の力を合わせればどんどんブラッシュアップすることができ、その過程を経験できてとても楽しかったです。
職員の学びとアイデアこそ、グループの強み。
受賞チームの発表後、米本頭取から賞状と賞金が手渡され、今回のコンテストの総評が語られました。 「お客さまのお役に立つサービスや体験をご提供できなければ、我々の成長はありません。そのためにはDXやAIが重要で、それを支えているのは職員の皆さんです。回を重ねるごとに提案のレベルが上がっていることは、非常に嬉しい限りです。今日のプレゼンテーションもすべて実現したいと思うものばかりでした。職員の中からこんなにも素晴らしいアイデアが出てくるならば、どんどんお客さまにご提供していきたいと思っています。ぜひ来年もチャレンジし、パワーアップしてこの舞台に戻ってきてください。」(米本頭取)
DX戦略の強化は、ちばぎんグループの大きな特徴の一つ。2024年度にはデジタル戦略部内にAIソリューション室を新設し、エッジテクノロジー株式会社を完全子会社化するなど、グループ内の知見を集約するための体制を整えてきました。 また、人材育成の面では、今回ご紹介したアイデアピッチコンテスト以外にも、約4,000本の学習プログラムをオンラインで受講できる企業内大学「ちばぎんアカデミー」において、AI・データに関する動画学習コンテンツ「AIジョブカレ」を同アカデミーで配信するなど、多角的な学びの機会を広げています。 これらのデジタル戦略全体を牽引する淡路専務は、「職員たちの学びの意識に高まりを感じている。」とした上で、「今回はグループワークという新しい試みだったが、現場に近い職員が知恵を出し合うことで、これほど実現性の高い提案につながるのかと驚いた。」とコンテストを振り返りました。
「現在、ちばぎんグループでは、もともと進めていたDX戦略に生成AIを加えることで、データ分析の高度化および高速化を目指しています。それは、何よりもお客さまと向き合う時間を作るためですが、今回の6チームの提案にはその視点がしっかりと組み込まれていました。また、お客さまからも『生成AIを自社の事業に活用したい』というご要望をたくさんいただいております。そのようなご要望にお応えしていくことも私たちの使命であり、そのためには職員自らが課題意識を持って新しい技術を学ぶ姿勢が欠かせません。AIジョブカレにおいては、配信から1カ月ほどで2,800人以上の受講者があるなど、グループ職員のモチベーションの高さが推進力となっています。今後も多くの職員に参加していただき、その学びとアイデアをグループの強みとし、お客さまのお役に立てるちばぎんグループでありたいと思っています。」(淡路専務) 生成AIの可能性を、お客さまと千葉の未来のために。私たちちばぎんグループは、一人ひとりの思いをもっと実現できる地域社会にするため、今後も新たな挑戦を続けてまいります。
※所属、役職およびインタビュー内容は取材当時のものです。