M&Aという選択肢で

関わる人の人生を豊かにし、

地域社会の成長をサポートする

千葉県内には約12万社の中小企業があり、その4割が後継者不在という課題を抱えているといわれています。営業店が日々の活動でお客さまのニーズをお伺いしているなか、「事業承継について聞いてみたい」という企業さまからの相談は年間400～500件ほどで、受託を承ってマッチング活動をしている案件は常時20件ほど。業種も企業規模もさまざまですが、約半数が千葉県内の年商3億円以下の中小企業のオーナーさまです。
経営承継コンサルティング部は、事業承継や事業再編といった経営課題にワンストップで対応する専門部署として2021年に新設された部署。後継者不在という社会課題の解決に挑み、地域経済の持続的な成長を支えることをミッションとしています。なかでも私が所属しているのは、外部への承継に特化したM&Aチーム。事業承継においてM&Aという選択肢があることを知っていただき、お客さまのニーズに対してチームのパフォーマンスを最大限発揮できるようにすることが、チームの統括者である私の役割です。具体的には、案件進捗の管理、提案営業や案件執行に関するメンバーからの相談対応や実務サポート、施策立案など、チーム運営に関わる業務全般に従事しています。

M&Aの専門会社もあるなか、地方銀行が事業承継を支える意義は、地域社会に根付き、企業規模の大小に関係なく末永く寄り添い、地域の事業と雇用を守れることにあると思います。事業承継はその企業のオーナーさまにとって一生に一度の大きな出来事。依頼をいただいてから譲渡先が決定するまでには、最短でも半年、長ければ2～3年かかるケースもあります。事業承継に際してお客さまが重視するのは、「従業員や取引先を大切にしてもらえるのか」「会社名は残してもらえるのか」という思いの部分も大きいですね。また、マッチングがなかなか進まない時期には、お客さまが不安を抱える場合もあります。重要なのは、お客さまの気持ちに寄り添うこと。マッチングの際に使用する企業概要書の作成時や譲渡先との交渉時には、週に複数回の面談を重ねることもあり、密なコミュニケーションを取り続けながら、お客さまと苦楽を共にしていくのが、この業務です。だからこそ、譲渡先が決まった時にお客さまに喜んでいただけると、私たちも本当に嬉しく、大きなやりがいを感じることができる。銀行の業務のなかでも、こんなに深く、長く、お客さまとやり取りできるビジネスはなかなかないですね。

ちばぎんの魅力の一つが、自分でキャリアを選択し、積み上げていけることです。トレーニー制度を活用して外部の企業で新規株式上場のコンサルティングを経験し、グループ会社のちばぎんキャピタルでファンドによる投資業務にも携わってきました。希望する領域への挑戦をサポートしてくれる環境でキャリアを磨けることは、社会人にとっては大きな魅力。これまで培った知見と経験をフルに活用しながら現在の業務に取り組めていると実感しています。
お客さまがM&Aに託す思いはさまざまです。事業承継の手法として「M&Aという選択肢」を提供し、お客さまが望む選択を「実現」することが、「一人ひとりの思いを、もっと実現できる地域社会にする」というちばぎんグループのパーパスにもつながっていくと考えています。経営の承継はもちろん、成長戦略の実現を目的とした大手グループへの参入、充実したセカンドライフの実現を目的としたアーリーリタイアなど、お客さまの思いの実現に向け、チームの持てる力を最大限に発揮できるように取り組んでいきたいですね。そして、後継者不在による廃業をなくし、地域社会の持続的な成長に寄与したいと考えています。