気候変動・自然資本保全への対応
関連する方針/ガイドライン
TCFD・TNFD提言に基づく開示
当行グループは、TCFD提言への賛同表明及びTNFD Adopterへ登録を行い、気候変動・自然資本保全に関する取組みについて、TCFD・TNFDが推奨する項目に沿って積極的な情報開示を行っています。
●ガバナンス(気候変動・自然資本)
当行グループは、気候変動及び自然資本の保全に伴う依存及び影響とリスク及び機会を把握・管理するため、機動的かつ強固なガバナンス体制を構築しています。
グループCSuOの配置
2025年3月、地域金融機関としての社会的責任の高まりを踏まえ、長期志向で「経済的価値」「社会的価値」のバランスの取れた経営を目指すサステナビリティ経営、とりわけ社会的課題や環境課題への対応をグループ横断的に進めるため、「グループCSuO」を配置しました。
取締役会による監督
サステナビリティに関するリスクや機会の把握・管理、各種施策の策定・遂行については、サステナビリティ推進委員会において四半期ごとに議論・審議されています。同委員会において、議論・審議された内容は、定期的に取締役会に報告されます。また、重要な取組事項については、別途、経営会議での付議を経て取締役会にて決議、報告されています。
サステナビリティを反映した役員報酬制度
当行の役員報酬制度では、業績連動型株式報酬にサステナビリティ要素を反映しています。目標指標の一つとして、人的資本や気候変動関連(カーボンニュートラル、地域社会の脱炭素支援)などの非財務指標を設定し、長期的な企業価値向上と社会的責任の両立を目指します。
●戦略(気候変動)
気候変動に伴うリスク及び機会
当行グループは、気候変動に伴うリスク(物理的リスク・移行リスク)及び機会について、短期(5年未満)、中期(5年~10年)、長期(10年超~30年)の時間軸で定性的に分析しています。気候変動に伴リスク及び機会の具体的な内容、気候変動に伴うリスク及び機会が、当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響は、以下のとおりです。
シナリオ分析
当行グループは、2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候変動シナリオを考慮して、当行の戦略におけるレジリエンスについて分析しています。 各シナリオに基づき分析した結果、分析期間(2050年まで)における物理的リスクは70~80億円、移行リスクは最大で310億円であり、当行グループの業績(親会社株主に帰属する当期純利益(連結)940億円)等を勘案し、これらのリスクは、現時点においては、当行グループの事業の持続可能性に重大な懸念を与えるものではないと認識しています。 気候変動に伴う物理的リスク・移行リスクについては、今後も継続的に分析手法の高度化を図り、リスクの管理と適切な対応策の実施、並びに情報開示に努めていきます。
カーボンニュートラルに向けたロードマップ
当行グループのCO2排出量削減目標である「2030年度カーボンニュートラル」の達成及び脱炭素社会を実現するため、積極的な取組みを進めています。
当行グループの取組み(ひまわりグリーンエナジー)
再生可能エネルギーの地産地消を目的に、2023年4月に電力事業会社「ひまわりグリーンエナジー」を設立しました。現在、旭市や君津市、銚子市において太陽光発電事業を行っており、年間発電量は千葉銀行グループの年間電力使用量の約40%に相当する規模となっています。
<太陽光発電所の運営>
<フィルム型ペロブスカイト太陽電池を用いた営農型太陽光発電設備実証実験プロジェクト>
ひまわりグリーンエナジーは、積水ソーラーフィルム株式会社、株式会社TERRA、国立大学法人千葉大学とともに、国内で初めて水田にフィルム型ペロブスカイト太陽電池※を用いた営農型太陽光発電設備を、2026年3月に千葉大学柏の葉キャンパスに設置し、同年5月11日に水田で田植えを行い実証実験が本格始動しました。 千葉県の主要産業である「農業」と千葉県が国内トップシェアを占めるヨウ素を原料とする「ペロブスカイト太陽電池」を結び付け、千葉県の地域資源を再エネ電源へと転換するとともに、持続可能な農業に向けた新たな経営モデルの構築に取り組みます。
※フィルム型ペロブスカイト太陽電池とは薄くて軽量、曲げられる次世代の太陽電池
<銚子市陸上風力発電所>
当行グループは、銚子市並びに共同提案者の日本風力開発株式会社をはじめとする関係者とともに、環境省が募集する「脱炭素先行地域」に選定されました。 本取組みは、陸上風力発電所を新たに建設し、同市の水産エリアにおける再生可能エネルギー電力の地産地消を目指すものです。 日本一の漁獲量を誇る銚子の「海」(水産資源)と貴重な地域資源である「風」(風力資源)を結びつけ、脱炭素型の地域経済循環を実現していきます。
<化石証書の仲介事業>
ひまわりグリーンエナジーでは、発電所関連事業を行うほか、脱炭素への取組みの一つとして、非化石証書の仲介事業を行っています。 今後も再生可能エネルギーを活用した事業を加速させ、地域における脱炭素社会の実現に貢献していきます。
お客さまの脱炭素化に向けた取組み
当行は、脱炭素社会の実現に向けて、各ステップに応じた商品をファイナンス、非ファイナンスの両面から展開しています。
<CO2排出量測定ツール「C-checker」>
CO2排出量測定ツール「C-checker」を2023年9月に開発し、ちばぎんビジネスポータルの無料サービスとして提供しています。お客さまの脱炭素化への第一歩となるCO2排出量の可視化を支援する「C-checker」を起点に、CO2排出量の削減計画の策定支援、ビジネスマッチング先と連携した太陽光発電設備や省エネ設備等のソリューションメニューの提供を行い、お客さまのGXを総合的に支援できる体制を構築しています。
●戦略(自然資本)
自然資本への依存とインパクト分析(ヒートマップ)
融資先の自然資本への依存とインパクトについて把握するため、自然関連リスク分析ツール「ENCORE」を用いてヒートマップを作成し、各セクターの依存とインパクトの度合いを分析しました。
自然資本への依存とインパクト分析(バブル図)
融資残高割合や地域内及び行政計画上の重要性、依存とインパクトの評価結果等を踏まえ、「不動産管理・開発等」を優先セクターとして選定しました。
自然資本への依存とインパクト分析(バリューチェーン整理)
優先セクターとして選定した「不動産管理・開発等」のバリューチェーンを整理しました。不動産運営会社の融資残高割合が最も高いものの、依存・インパクトは小さい他、賃貸業を営む企業が多くエンゲージメントの余地が限られることから、次に融資残高割合が高く、依存・インパクトが一定程度大きい産業サブグループである不動産開発と建設・土木から企業を選定し、自然との関わりの分析を実施しました。
融資先拠点における自然との関わりの分析
不動産開発は、インパクトの評価において、「攪乱」及び「水・土壌への有毒汚染物質の排出」の評価の値が大きいことから、TNFD提言における要注意地域の観点の一つである「生物多様性にとって重要な地域」について分析を行いました。
自然資本に伴うリスク・機会
優先セクターの依存インパクトの評価及び融資先拠点における自然とのかかわりの分析を経て、優先セクターにおける自然関連のリスクと機会を整理しました。その結果に基づく当行グループにおける、具体的なリスク及び機会と当行の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響は以下のとおりです。
<主な機会>
●ちばぎんポジティブインパクトファイナンス
企業活動が自然資本を含む、環境・社会・経済にもたらすインパクトを包括的に分析・評価し、ポジティブな影響の増大及びネガティブな影響の低減の支援を目的とする国際原則に適合した融資です。
●ちばぎんSDGs私募債
私募債引受手数料の一部を、千葉県が策定した環境計画等に基づき、千葉県の貴重な自然を保全するため、森林・池、里山等の整備及び水質改善を行う環境団体や、発行企業が指定する環境保全活動を行う団体に寄付する商品です。
当行の営業拠点による自然への影響調査
当行の営業活動が自然資本に与える影響を分析するため、生物多様性の重要性という観点から、当行の営業拠点と要注意地域(保護区・KBA等)との所在関係の調査を行いました。
当行グループの取組み
当行グループは、自然資本に関するリスク及び機会を特定・認識したうえで、主な戦略として以下のような取組みを実施しています。 <バイオ炭生産で森林保全とCO2削減> 千葉県は竹林面積が広く、放置された竹林による竹害が課題となっています。 当行は、千葉県佐倉市にてバイオ炭を生産し、竹林整備による森林保全に取り組みました。バイオ炭は地中に長期間CO2を貯留する効果があり、フレッシュファームちばの営農地にバイオ炭108kgを散布することで、CO2の削減にも貢献します。 <「ちばぎんの森」森林整備活動> 当行は、千葉県の「法人の森事業」制度を活用し、2003年より森林整備活動を行っています。本活動は、松くい虫の被害や東日本大震災の津波の影響により疎林化した海岸保安林について、津波発生時の減災効果向上や景観整備による観光振興等を目指し、再生に努めるものです。 <事業活動に伴う資源の使用量・廃棄物量の計測>
●リスク管理(気候変動・自然資本)
リスクと影響の特定・評価
当行グループは、気候変動・自然関連のリスク(物理的リスク・移行リスク)が、当行グループの経営に重要な影響を与えるリスクと認識し、具体的な内容を時間軸(短期・中期・長期)ごとに特定・評価したうえで、管理を強化しています。また、自然資本については、投融資先を対象に依存と影響に関するヒートマップを作成しました。これらのリスク及び影響の特定・評価は、サステナビリティ推進部とコンプライアンス・リスク統括部が連携して実施し、その分析結果はサステナビリティ推進委員会等にて報告しています。
トップリスク管理
当行グループは、事業を取り巻くリスク事象のうち、影響度や蓋然性の観点から重要度の高いリスクを「トップリスク」として、取締役会にて選定しています。「トップリスク」の選定や管理にあたっては、リスク事象を幅広く網羅したリスクマップを作成し、社外取締役やグループ会社も含め議論を実施し、ALM委員会や取締役会にて報告を行っています。気候変動・自然関連のリスクの管理を強化するため、「気候変動対応の後れ」を「トップリスク」の一つとして、「自然資本・生物多様性への対応の後れ」を「サブリスク(トップリスクに準ずるリスク)」の一つとして管理しています。
統合的なリスク管理
当行グループは、リスクごとに管理する部署を定め、コンプライアンス・リスク統括部がこれらのリスクを一元的に把握し、対応策等を協議しています。また、グループCRO(最高リスク管理責任者)が、リスクの状況を取締役会に報告しているほか、実効性のあるリスク管理体制を実現するため、リスク管理が適切に行われているかを監査部が監査し、取締役会に報告しています。 気候変動・自然関連のリスクは、定性的及び定量的な分析結果を踏まえ、融資先の事業活動にかかる信用リスクや、当行拠点の営業継続にかかるオペレーショナル・リスク等に分類され、上記のリスク管理体制に統合されています。
融資ポリシーの策定と特定のセクターに対する与信の厳格化
当行グループは、環境・社会に対する重大なリスクまたは負の影響を内包すると考えられる事業、及び融資に取り組むことが環境・社会に対して大きな影響を与えると考えられる特定のセクターに関して、融資ポリシーを策定・公表しています。 また、地球温暖化に対して大きな影響を与えると考えられる化石燃料関連セクターに対する与信を検討する際には、サステナビリティ担当部門の見解を付したうえで取組可否を判断するなど、より厳格な審査体制としています。
●指標と目標(気候変動・自然資本)
GHG排出量(SCOPE1+2)
当行グループはパリ協定を支持し、2022年3月に「2030年度までにCO2排出量ネットゼロ」とする目標を公表し、GHG(CO2)排出量の削減に取り組んでいます。今後も再生可能エネルギーの活用や省エネルギーの推進等により、排出量削減に取り組んでいきます。
<GHG排出量の推移>
<主な取組み>
●自社契約電力の再生可能エネルギー化
2022年10月より、当行が直接契約している電力について、再生可能エネルギー由来の電力への切替えを実施しています。
●第三者保証の取得
GHG排出量の計測・開示にあたり、数値の信頼性を確保するため、2021年度以降の排出量については、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得しています。
●太陽光発電所の設置
当行グループは、2023年4月に電力事業会社「ひまわりグリーンエナジー」を設立し、再生可能エネルギーを活用した電力事業を行っています。当社が設置した旭発電所及び銚子発電所で発電された電力は、当行グループの施設で利用しています。今後も、当社を活用しながら、当行グループ及び地域における脱炭素社会の実現と持続可能な社会の構築に貢献していきます。
GHG排出量(SCOPE3)
当行は、SCOPE3カテゴリー1~7について、サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の把握を目的として、計測及び開示を実施しています。各カテゴリーにおける排出量の可視化を進めるとともに、データの精緻化に継続して取り組み、当行グループ全体の排出量管理の高度化を図っていきます。
※ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得
当行は、SCOPE3カテゴリー15について、2021年度から計測と開示を実施しています。今後もPCAFのデータベース等の活用により計測対象範囲の拡大を進めていく一方で、脱炭素に向けたお客さまの取組みを支援し、2050年の脱炭素社会の実現に向けてSCOPE3カテゴリー15の削減を図っていきます。
<ビジネスローン>
※ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得
<プロジェクトファイナンス>
※ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得
サステナブル・ファイナンスの推進
当行は、お客さまのサステナビリティに向けた経営をファイナンス面で後押しするため、さまざまな融資商品を提供しています。
●グリーンローン
グリーンプロジェクト(地球温暖化や環境問題の解決に取り組む事業)に必要な資金調達をする際に用いる融資。
●ちばぎんリーダーズローンNEXT
事業規模や経営実態に合わせて、有効な目標等の設定や環境改善効果の測定を当行の専門部署がサポートし、ちばぎん総合研究所が評価して取り組む。
●ちばぎんスマートローン
脱炭素の取組みに特化した商品。具体的には、①脱炭素に関する情報収集、②CO2排出量の現状把握、そして③CO2排出量削減計画の策定の3ステップをお客さまとの対話を通じて支援する。(②③は有料版のみ)
<実行額目標と実行額実績>
お客さまの環境課題や社会課題の解決を支援し、持続可能な社会の実現に貢献するため、2021年2月に2030年度までのサステナブル・ファイナンス実行額目標を設定しました。積極的な取組みを進めた結果、2025年7月末時点において、当初の実行額目標2兆円を予定より早く達成したことから、新たに目標を4兆円へと上方修正しました。
炭素関連資産の状況
当行は、気候変動リスクへの対応と持続可能な地域社会の実現を目指し、ポートフォリオにおける炭素関連資産の状況を把握しています。
CDP気候変動調査
当行は、CDP※が2025年に実施した気候変動調査において、気候変動に対する取組みとその情報開示の透明性などが評価され、最高評価である「Aリスト」企業に選定されました。
※企業・自治体等の環境に関する情報を収集・評価・開示する国際的な非政府組織
気候変動・自然資本保全への取組み
●省エネ・地域パートナーシップ
当行は、省エネ・地域パートナーシップにパートナー金融機関として参加しています。 省エネ・地域パートナーシップとは、地域で中小企業等の省エネを支援する体制を構築するため、資源エネルギー庁が立ち上げた枠組みで、200を超える金融機関や省エネ支援機関が、パートナー機関として参加しています。
●日本銀行による気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション
気候変動対応に資する投融資にかかる実績(対象投融資残高):3,167億円(2025年3月末現在)
ちばぎん本店ビル
自然エネルギーを活用するとともに、省エネルギー化を促進する建物といたしました。建築環境総合評価システム(CASBEE)でSランク相当の性能を有しています。