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1985年4月、当行は中期経営計画「SUN UP ’88」(~1988年3月)がスタートした。これは、緒方頭取時代に当行が初めて策定した中期経営計画(中計)であった。
本中計では、①営業体制の刷新、②効率化の徹底、③組織としての総合力発揮を狙いとした。なお、掲げた二つの数値目標(預金平残と物件費率)を達成したほか、期間中はボリューム(資金量)から収益重視の方針転換、原価意識の徹底、関連会社の充実を図った。
1987年6月、緒方頭取が会長に、前年12月に日本銀行理事から当行顧問となっていた玉置孝(たまき たかし)が第5代頭取に就任した。なお、玉置頭取は全国地方銀行協会会長(1994年7月~1997年5月)、千葉県経済同友会代表幹事(1995年7月~1998年7月)、千葉商工会議所会頭(1997年12月~2000年9月)などの公職を歴任した。
1988年4月、玉置頭取のもと、第2次中期経営計画「パワーアップ ’91」(~1991年3月)がスタートした。本中計の狙いは、提案営業による運用力の強化と県内シェアの拡大にあった。そこで、「激動の時代を生き抜くゆるぎない経営基盤の確立」を基本方針とし、「変化を捉えた攻めの営業展開」「変化に強い経営体制の構築」「変化に立ち向かうたくましい行動力」の三つを経営目標に掲げた。
1990年4月、計画を1年繰り上げて完結し、3年後に迎える創立50周年を見据えた第3次中期経営計画「ジャンプアップ50」(~1993年3月)がスタートした。本中計の特徴は、3年後に到達すべき姿を、自己資本比率、業務純益、県内シェアなどの経営指標で明示したことにあった。経営目標に「経営体質の強靭化」「地域金融面での圧倒的な地位の確立」を掲げ、「営業体制の強化」「経営管理体制の強化」「人事制度の強化」の3分野にわたり、9項目の施策に取り組むとした。
BIS規制(国際統一基準行に対する自己資本比率規制)の導入に伴い、当行は拡大を続ける資産に見合った資本の確保に努め、多様な方法で自己資本の充実を図った。まず、1986年12月、総額1億米ドルの外貨建て転換社債を発行した。これは当行にとって初めての海外での資本調達であった。
さらに、1986年12月〜1990年3月にかけての3度の公募増資、1989年3月の国内無担保転換社債の発行、同年4月の株主割当増資によって、計画的に資本を増強していった。このとき、内外の格付会社から取得した当行の格付けは、日本インベスターズサービス:AA(1989年)、ムーディーズ:Aa3(1990年)、スタンダード・アンド・プアーズ:A+(1990年)であった。
この結果、資本金は1982年4月の255億円から1990年3月には1,063億円と、4倍強に増えた。その後、株価急落などの局面はあったものの、BIS規制が適用される1993年3月末の自己資本比率は9.40%と、国際統一基準の8%以上をクリアした。