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2002年の「銀行法」改正で金融機関の出店が認可制から届出制に変更されたことで、店舗戦略の自由度が増した。当行では2006年以降、県内のみならず、開業したつくばエクスプレス沿線など、「広域千葉圏」※5と呼ぶ隣接都県の成長地域にも積極的に出店を行った。
法人取引の開拓を目的とする県外への出店では、まず「法人営業所」(銀行法上は出張所、勘定を持たない軽量の拠点)を設置し、一定の貸出残高が見込まれると判断した時点で支店に昇格させた。法人営業所の形態には、出退店のコストが抑えられること、オフィスビルなどに機動的な設置が可能なことなどのメリットがあった。
一方、県内では新駅周辺や新興住宅地などに、主に個人取引増強を目的とした出店が多かった。ここでは、進出地域の最寄店に「店舗内店舗」を設置して営業活動を開始し、出店地が決定すると拠点を移す手法を採用した。こうして短期間のうちに県内外に数多くの出店を実現した。この時期の出店は以下のとおりである。
店舗網の拡大に伴う営業人員の確保や、バーゼルⅡなど各種規制に対応する本部人員の増員が急務となり、これまで抑制的であった新卒採用を大幅に増やす方針とした。2006年度からの4年間で1,000名超を採用し、2009年度末の従業員数は4,200名を超えた。
また、営業人員の拡充などにより、営業店に導入していた法人・個人の顧客別の分業体制を2007年6月に廃止し、従来の営業・融資体制に戻した。同時に、本部機構も法人部と個人部を廃止し、機能別の推進体制とした。
2008年3月には、地区法人営業部および企業戦略支援担当も廃止した。これは、ソリューション営業や再生支援のノウハウを多くの営業店に浸透させ、営業店担当者のスキル向上を図るための発展的解消と言えるものだった。
店舗や人材への投資と並行して、自己資本の充実にも努めた。2005年12月には15年ぶりに公募による新株発行を行った。発行株式数5,000万株、発行総額480億円の規模となり、不良債権処理で毀損した自己資本の回復に大きく寄与した。
劣後調達においては、2003年11月に初めての国内公募劣後債を発行し、その後も2006〜2011年にかけて、機関投資家や個人投資家などから合計600億円を調達した。
※5 広域千葉圏
千葉県との関係が強い東京都、埼玉県、茨城県の成長地域を指す。