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2014年4月、第12次中期経営計画「ベストバンク2020~価値創造の3年」(~2017年3月)がスタートした。
本中計では、強固な営業基盤・経営基盤を生かしつつ、引き続き成長が期待できる「広域千葉圏」において他の金融機関に勝る質の高い金融サービスの提供と、少子高齢化やIT化など社会・経済の変化への迅速かつ的確な対応を狙いとした。計画の名称には、地域のお客さまに次世代の金融サービスの提供を通じて新たな価値を創造し、「リテール・ベストバンク」グループを目指すという決意を込めた。また、本中計期間を2020年(6年後)を見据えた最初の3年と位置付け、「新たな企業価値の創造」「人材育成の一層の充実」「持続可能な経営態勢の構築」の3分野・90項目の課題にグループ一体で取り組んでいくとした。
地域の経済・産業を牽引する企業を「地域活性化特定先」として選定し、事業性評価に基づく融資や本業支援等に積極的に取り組んだ。また、自治体の地方創生施策に貢献するため、「地方創生・地域活性化委員会」「地方創生部」の新設などにより、グループの推進態勢を整備した。さらに、JCBブランドのデビットカードを導入し決済サービスを強化したほか、高齢化の進展でニーズが高まりつつある信託・相続関連商品の充実を図った。このほか、成長地域への出店や店舗の統廃合・機能変更など店舗ネットワークの見直しにより営業基盤を拡充した。
職員の業務スキルの見える化を進め、スキルに応じた実践的な研修を取り入れるとともに、高い専門性を有する外部人材の中途採用を強化した。また、ダイバーシティの推進を経営戦略として位置付け、セミナーや面談を通じて職員の意識改革に努めたほか、事業所内保育所を開設するなど、女性の活躍推進や仕事と育児・介護の両立支援に向けた環境整備を進めた。
トップライン向上とコスト削減を目的として、「TSUBASAアライアンス」「千葉・武蔵野アライアンス」を発足し、他行連携を強化した。また、営業店業務プロセスの抜本的な見直しに着手し、融資・ローン審査のスピードアップや地元3行(千葉銀行、京葉銀行、千葉興業銀行)による一部事務の共同化などにより、業務の生産性向上を図った。このほか、グループ一体経営を促進するため、「ちばぎん幕張ビル」にグループ9社を集約した。
なお、一部計数については最終年度を待たずに目標を達成したことから、2015年11月に計数目標を上方修正するとともに、新たに取り組むべき課題を12項目追加した。
2017年4月にスタートした第13次中期経営計画「ベストバンク2020 Final Stage-価値共創の3年」(~2020年3月)を、当行は前中計から続く「リテール・ベストバンク」グループの実現に向けた総仕上げの3年と位置付けた。計画名称にある「価値共創」とは、お客さま、株主、従業員、地域社会など多様なステークホルダーと共通価値を創造することであり、先行き不透明な環境下でも先進的かつ高い生産性と揺るぎない信頼を確立し、地域とともに持続的な成長を目指すものであった。
本中計では、「お客さまとの共通価値の創造」「全ての職員が輝く働き方改革の実現」「持続的成長に向けた経営態勢の強化」を主要課題に掲げ、取組みにあたっては、お客さまの視点で考え、お客さまのために行動する「お客さま第一主義」の基本に立ち返ることを指針とした。
事業性評価に基づく融資に加え、取引先企業のライフステージに応じた課題解決型営業を推進した結果、法人ソリューション関連手数料が大幅に増加した。地方創生への貢献においては、自治体との連携強化を図り、観光まちづくりや廃校の利活用などで成果を上げた。また、個人向け総合金融サービスを志向し、新たに保険ショップの開設、相続関連業務の拡大、消費者ローンにおける非対面チャネルの強化などを行った。さらに、デジタル化に対応した新しいサービスとして、API共通基盤によるフィンテックサービスの提供やデジタル通帳の発行を始めた。このほか、首都圏でのリテール取引基盤拡充を図るため、高い成長が見込まれる東京23区内に営業拠点を新設した。
電子ワークフロー(業務の電子決裁システム)やテレワークを導入したほか、ワークライフバランスを考慮し、フレックス勤務を選択できるようにした。ダイバーシティの推進においては、女性の職域拡大やシニア人材の積極的な登用によって組織が活性化し、特に女性の管理職比率が上昇した。
戦略的アライアンスを推し進め、既存の枠組みの拡大・深化を図るとともに、新たに「千葉・横浜パートナーシップ」を発足した。また、営業店事務の本部集中や新たな店頭機器の導入などにより業務効率化を進め、ESG課題への対応にも力を入れた。
なお、本中計期間中の2018年3月末に総預金が12兆円、2019年3月末に総貸出金が10兆円を突破した。